25-144 貧血についての記述である。正しいのはどれか。
(1)血中ヘモグロビン値が低値の時は、貯蔵鉄は充足している。
(2)血中エリスロポイエチン値の減少により、小球性低色素性貧血を起こす。
(3)胃切除後の悪性貧血は、手術直後に起こる。
(4)体内の貯蔵鉄が減少していると、鉄の吸収率は低下する。
(5)非ヘム鉄は、ビタミンCの同時摂取により、吸収率が上昇する。
(1)× 鉄欠乏性貧血で血中ヘモグロビン値が低値の時は、貯蔵鉄が減少している。体内の鉄が欠乏すると、まず貯蔵鉄が減少し、貯蔵鉄が枯渇すると、ヘモグロビン合成が障害されて貧血となる。さらに鉄欠乏が進行すると組織鉄が欠乏する。
(2)× エリスロポイエチンは、骨髄での赤血球産生を促進するホルモンである。エリスロポイエチンが減少すると、骨髄での赤血球産生は低下するが、一つひとつの赤血球は正常な形態をしているので、正球性正色素性貧血になる。
(3)× 悪性貧血は、ビタミンB12欠乏によって起こる。ビタミンB12は胃壁細胞から分泌される内因子に結合して回腸で吸収されるので、胃切除後にはビタミンB12の吸収障害が出現する。しかし、肝臓には数年分のビタミンB12が貯蔵されているので、悪性貧血が出現するのは、胃切除後数年たってからである。
(4)× 体内の貯蔵鉄が減少すると、体はそれを補充しようとして、鉄の吸収率は上昇する。通常、食事中の鉄の吸収率は10%程度であるが、鉄欠乏時には30%くらいになるといわれている。
(5)〇 野菜などに多く含まれる非ヘム鉄は、胃酸によりイオン化され、Fe3+からFe2+(可溶性)に還元される。Fe2+は、ビタミンC、糖質、アミノ酸と結合して可溶性維持しつつ十二指腸に運ばれて吸収される。遊離の鉄イオンは、pH7.0では不溶性となり吸収されない。ビタミンCは、鉄の可溶化とFe2+への還元を促進するので、鉄吸収を促進する。
肉などに多く含まれるヘム鉄は、そのままの形で吸収されるので、吸収率がよい。
正解(5)