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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

22-47 空気感染を起こす病原微生物である。正しいのはどれか。

(1)MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
(2)C型肝炎ウイルス
(3)ロタウイルス
(4)単純ヘルペスウイルス
(5)麻疹ウイルス

(1)× メチシリンとはペニシリン系抗生物質の一種である。MRSAは、多くのペニシリン・セフェム系抗生物質に対する耐性を獲得した黄色ブドウ球菌である。近年の抗生物質の多用・乱用が原因で増加している感染症であり、院内感染の重要な原因の一つである。MRSAは、感染者との接触により伝染する「接触感染」である。

(2)× C型肝炎ウイルスは、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変を起こすウイルスである。ウイルスは血液中に存在し、汚染された血液が体内に入ることによる伝染する。

(3)× ロタウイルスは、乳幼児の急性下痢症の主な原因となる病原微生物である。ウイルスは便中に排泄され、汚染されたものを口にすることで伝染する「経口感染」である。

(4)× 単純ヘルペスウイルスは、口腔、眼、陰部など粘膜や皮膚に感染して、水泡などの病変が出現する。感染者との接触により伝染する「接触感染」である。

(5)○ 麻疹ウイルスは、気道粘膜に感染し、咳・くしゃみなどにより空気中にウイルスが排泄される。咳・くしゃみで排泄される飛沫の大きさにより、「飛沫感染」と「空気感染」に分けられる。粒子の大きさが5μm以上の場合、すぐに落下して遠くへは飛ばない。今話題のインフルエンザは「飛沫感染」により伝染する。粒子の大きさが4μm以下の場合は、粒子は長く空気中を浮遊し、遠くへ移動する。このようなものを「空気感染」という。つまり、汚染された空気を吸うだけで伝染するものである。麻疹ウイルスは「空気感染」を起こす。

正解(5)
by kanri-kokushi | 2009-10-07 13:51 | 第22回国家試験 | Comments(0)