2011年 01月 27日
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
(1)高浸透圧昏睡
(2)代謝性アルカローシス
(3)失明
(4)ネフローゼ症候群
(5)起立性低血圧
(1)〇 著しい高血糖(600mg/dl以上)になると、血液の浸透圧が上昇して、脳の循環障害や神経細胞の脱水を起こし、そのために昏睡が出現することがある。これを高浸透圧高血糖症候群という。以前は非ケトン性高浸透圧昏睡と呼ばれていたが、ケトーシスを伴うこともあり、昏睡なることはまれなために、このような呼称が用いられている。
(2)× 体内で発生した酸を中和するために重炭酸イオンが消費されて発生するアシドーシスを、代謝性アシドーシスという。糖尿病では、グルコースの利用障害と脂肪酸酸化の過剰により、ケトン体が産生される。ケトン体は酸性なので、これを中和するために重炭酸イオンが消費される。これをケトアシドーシスという。
(3)〇 糖尿病では、糖尿病性網膜症が出現し、重症の場合、失明する場合もある。
(4)〇 糖尿病性腎症では、タンパク尿が出現し、重症の場合、腎不全になる場合もある。尿タンパクの排泄が著しい場合は、ネフローゼ症候群の診断基準を満たすことがある。糖尿病性腎症は、二次性ネフローゼ症候群の主要な原因の一つである。
(5)〇 糖尿病性神経障害では、自律神経障害が出現し、起立性低血圧が出現する。起立性低血圧とは、横たわった状態から立ち上がると、収縮期血圧が20mmHg以上低下するものをいう。
正解(2)