2011年 03月 04日
臨床栄養学
a 高リン血症
b 高カルシウム血症
c 低マグネシウム血症
d 低カリウム血症
(1)aとb(2)aとc(3)aとd(4)bとc(5)cとd
リフィーディング症候群は、マラスムスのような慢性的な半飢餓状態の患者に、大量のブドウ糖を投与した際に発生する一連の代謝性合併症の総称である。
飢餓状態では、体脂肪を分解して遊離脂肪酸とケトン体をエネルギー源とする代謝経路に、生体が適応している。飢餓状態の患者に再栄養を行なうと、エネルギー源が脂肪や蛋白から糖質へ、急速に転換される。
a× 糖質の代謝では、多くのPを必要とするが、さらに糖質を負荷することによりATP産生が増加してPが消費されるため、細胞のP取り込みが増加し、低P血症となる。低P血症では、赤血球中の2,3-DPGを低下するので、ヘモグロビンの酸素親和性が増加し、末梢組織、特に心筋など酸素依存度が高い組織で低酸素が出現する。組織の低酸素により、クエン酸回路の機能不全が起こり、その結果、乳酸アシドーシスが起こる。
b× 低Mg血症では、副甲状腺ホルモンの分泌が低下するので低Ca血症となる。
c〇 細胞の代謝増加に伴い、細胞のMg取り込みが増加し、低Mg血症となる。
d〇 インスリン欠乏状態では、Na-Kポンプ活性が低下しているが、糖質が急激に入ると、インスリン分泌が刺激され、細胞のK取り込みが増加して低K血症となる。低K血症は、不整脈の原因となる
正解(5)