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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

25-28 ヒトの核酸と遺伝子に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)たんぱく質をコードするDNAは、全ゲノムの約50%である。
(2)核酸に含まれる塩基の種類は、DNAとRNAで同一である。
(3)終止コドンは、アミン酸を指定する。
(4)2本鎖DNAの相補的塩基対は、共有結合により形成される。
(5)遺伝子変異の中には、一塩基多型(SNP)がある。

(1)× ヒトのDNAは、30億塩基対でできている。このうち、たんぱく質をコードしている遺伝子は、DNA全体の数%しかない。

(2)× DNAに含まれる塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類である。RNAに含まれる塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)である。よって、同一ではない。

(3)× 遺伝子は、4つの塩基の配列でコードされている。タンパク質を構成するアミノ酸は20種類ある。よって、1つの塩基では、20種類のアミノ酸をコードできない。2つ塩基を組み合わせても16種類しかコードできない。よって、20種類のアミノ酸を4つの塩基でコードするには、3つの塩基配列を1つのアミノ酸に対応させる必要がる。この3つの塩基配列をコドンという。DNA上の塩基は、AUGから読まれので、AUGを開始コドンという。AUGは、メチオニンに対応しているので、すべてのたんぱく質合成はメチオニンから始まる。たんぱく質合成を終了させるコドンは、UAA、UAG、UGAの3つあり、これを終止コドンという。終止コドンは、どのアミノ酸にも対応していない。

(4)× DNAの相補的塩基対は、水素結合によって形成される。対となるAとTは2か所で、GとCは3か所で水素結合ができる。

(5)〇 SNPは、Single Nucleotide Polymorphism「一つの塩基の多形」の略である。DNAの塩基配列の中で、一塩基が変異した多様性が見られ、その変異が種の中で1%以上の頻度で見られる時、これを一塩基多型(SNP)と呼ぶ。たとえ一つであっても、それがたんぱく質をコードしている遺伝子の部分にあり、その結果、たんぱく質を構成するアミノ酸の一つが変化して、そのアミノ酸一つが、そのたんぱく質の機能に重要な役割を果たしている場合は、そのひとつの塩基の変異が原因で病気になることある。

正解(5)
by kanri-kokushi | 2011-05-24 14:57 | 第25回国家試験 | Comments(0)