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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

25-37 蛋白漏出性胃腸症に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1)炎症性腸疾患は、原因疾患となる。
(2)アルブミン/グロブリ比(A/G比)は、上昇する。
(3)アルブミンの合成は、亢進する。
(4)腸管浮腫をきたす。
(5)血中カルシウム値は、低下する。

(1)〇 蛋白漏出性胃腸症とは、血漿中のアルブミンが胃や腸管の粘膜から管腔内に漏出し、低アルブミン血症をきたす症候群である。腸リンパ管の異常によるリンパ液の漏出(腸リンパ拡張症、うっ血性心不全、クローン病)、毛細血管の透過性亢進によるたんぱく質の漏出増加(アレルギー性胃腸炎、セリアック病、膠原病)、潰瘍からの出血や血漿の滲出(消化管の癌、感染性腸炎、炎症性腸疾患、メネトリエ病、セリアック病)などが原因となる。

(2)× 血清アルブミン濃度が低下するので、A/G比は低下する。

(3)〇 体外に失われるアルブミンが増加するので、それを補うために肝臓は一生懸命にアルブミンを合成する。

(4)〇 血清アルブミン濃度が低下するので、血液の膠質浸透圧が低下する。その結果、浮腫が起こる。浮腫が腸管に起これば腸管浮腫となる。

(5)〇 蛋白漏出性胃腸症では、消化吸収障害、特に脂肪の消化吸収障害が起こる。未消化の脂肪は、カルシウムと不溶性の塩を形成し、カルシウムの吸収を阻害する。その結果、血中カルシウム値は低下し、低カルシウム血症となる。

正解(2)
by kanri-kokushi | 2011-07-07 17:39 | 第25回国家試験 | Comments(0)