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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

25-45 呼吸器系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)横隔膜が収縮すると、胸腔内は陽圧となる。
(2)肺のコンプライアンスが小さいほど、肺は膨らみやすい。
(3)肺胞膜を介してのガス拡散能は、酸素より二酸化炭素が高い。
(4)全肺気量は、最大呼気位における肺内ガス量である。
(5)解剖学的死腔量は、約500mLである。

(1)× 横隔膜は、胸腔と腹腔の境となる骨格筋である。真ん中に健中心があり、横紋筋線維が放射状に走っている。中央が胸腔側に盛り上がったドーム状の形をしているが、横隔膜が収縮すると、ドームの頂上は腹腔側に下がってくる。肋骨、胸骨、胸椎からなる胸郭の壁は堅いので、横隔膜の収縮により、胸腔の体積は大きくなる。その結果、胸腔内の圧力は下がる、すなわち、陰圧となる。

(2)× コンプライアンスとは、弾力性のことである。コンプライアンスが小さいということは、弾力性が小さいということである。つまり、肺が固いということである。だから、肺は膨らみにくい。

(3)〇 ガスの拡散能は、ガスの溶解度に比例する。二酸化炭素の溶解度は、酸素の溶解度の20倍である。よって、二酸化炭素の拡散能は、酸素の拡散能の20倍も優れている。

(4)× 全肺気量は、最大吸気位における肺内ガス量である。

(5)× 死腔とは、気管、気管支などガス交換しない気道の部分のことである。死腔は、約150mLである。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2011-07-19 14:33 | 第25回国家試験 | Comments(0)