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臨床栄養学

25-148 ガラクトース血症の治療である。正しいのはどれか。
(1)ショ糖除去
(2)果糖除去
(3)乳糖除去
(4)メチオニン除去
(5)ヒスチジン除去

(1)× ガラクトース血症の原因は、ガラクトース‐1‐リン酸ウリジルトランスフェラーゼの欠損である。この酵素は、ガラクトース‐1‐リン酸とUDP‐グルコースから、UDP‐ガラクトース+グルコース‐1‐リン酸を生成する。UDP‐ガラクトースは、UDP‐グルコースに変換される。こうして、体内に吸収されたガラクトースは、グルコースに変換されて利用される。ガラクトース血症では、血中のガラクトース濃度とガラクトース-1-リン酸濃度が上昇し、尿中への排泄も増加する。症状として、嘔吐、下痢、黄疸、肝硬変、白内障、知能障害などが出現する。常染色体劣性遺伝する。頻度は、新生児約4万人に1人である。治療が、ガラクトースを多く含む食品を避けることである。ショ糖は、グルコースとフルクトースからなる二糖類なので、除去する必要はない。

(2)× 果糖は、フルクトースなので、除去する必要はない。

(3)〇 乳糖は、グルコースとガラクトースの二糖類なので、ガラクトース血症では、乳糖を除去する。

(4)× メチオニンは、アミノ酸なので、除去する必要はない。ホモシスチン尿症では、低メチオニン、高シツチン食とする。

(5)× ヒスチジンは、アミノ酸なので、除去する必要はない。以前は、ヒスチジン血症で低ヒスチジン食としたが、現在は、血中ヒスチジン濃度と症状の間に関連が認められないことから、治療しないことになっている。平成4年からは、新生児マススクリーニングから除外されている。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2012-01-31 17:37 | 第25回国家試験 | Comments(0)