人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

25(追加)-25 糖質と脂質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)グルコキナーゼは、糖新生系の酵素である。
(2)中鎖脂肪酸は、糖新生の基質になる。
(3)肝臓では、グルコース‐6‐リン酸がグルコースに変換される。
(4)グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンの加水分解を触媒する。
(5)脂肪酸は、ミトコンドリア内で合成される。

(1)× グルコキナーゼは、解糖系の酵素である。
 グルコキナーゼは、グルコースをリン酸化してグルコース‐6‐リン酸を生成する。

(2)× 糖新生の基質になるのは、オキサロ酢酸である。アミノ酸のうち分解されてピルビン酸、αケトグルタル酸、スクシニルCoA、フマル酸、オキサロ酢酸になるものは糖新生の材料になることができるので、糖原性アミノ酸と呼ばれる。中鎖脂肪酸は、β酸化によりアセチルCoAとなるが、アセチルCoAからオキサロ酢酸を生成することはできないので、糖新生の基質にはならない。

(3)〇 正しい。
 グルコース-6-リン酸を脱リン酸化してグルコースを生成する酵素は、グルコース‐6‐ホスファターゼである。グルコース‐6‐ホスファターゼは、肝臓と腎臓にある。よって、糖新生あるいはグリコーゲン分解によりグルコースを生成して、血液中にグルコースを放出できるのは、肝臓と腎臓だけである。

(4)× グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンの加リン酸分解を触媒する。
 グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンを分解してグルコース-1-リン酸を生成する。この反応は、加水分解ではなく、加リン酸分解である。

(5)× 脂肪酸は、細胞質で合成される。
 脂肪酸合成の材料であるアセチルCoAは、ミトコンドリア内で生成される。アセチルCoAは、ミトコンドリア膜を通過できない。アセチルCoAはオキサロ酢酸と結合してクエン酸となって、ミトコンドリア外に出る。そして細胞質でアセチルCoAとオキサロ酢酸に分解される。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2012-08-17 15:18 | 第25回国家試験(追加) | Comments(0)