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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

25(追加)-43 神経の構造・機能に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)交感神経の節前線維末端から分泌される神経伝達物質は、アドレナリンである。
(2)脳神経は、左右16対からなる。
(3)顔面神経は、味覚を脳に伝える。
(4)脊髄は、末梢神経に分類される。
(5)痛覚は、脊髄前角細胞を通って脳に伝えられる。

(1)× 交感神経の節前線維末端から分泌される神経伝達物質は、アセチルコリンである。
 交感神経も、副交感神経も、節前線維末端から分泌される神経伝達物質は、アセチルコリンである。交感神経の節後線維末端から分泌される神経伝達物質は、ノルアドレナリンである。副交感神経の節後線維末端から分泌される神経伝達物質は、アセチルコリンである。例外として、汗腺を支配する交感神経の節後線維末端から分泌される神経伝達物質は、アセチルコリンである。交感神経の緊張により汗が出るが、ノルアドレナリンが分泌されると汗腺に分泌している血管が収縮して汗を作ることができなくなるからである。

(2)× 脳神経は、左右12対からなる。
 ①嗅神経、②視神経、③動眼神経、④滑車神経、⑤三叉神経、⑥外転神経、⑦顔面神経、⑧内耳神経、⑨舌咽神経、⑩迷走神経、⑪副神経、⑫舌下神経の12対である。

(3)○ 顔面神経は、味覚を脳に伝える。
 舌の前3分の2の味覚は、顔面神経によって脳に伝えられる。舌の後ろ3分の1の味覚は、舌咽神経によって脳に伝えられる。

(4)× 脊髄は、中枢神経に分類される。
 中枢神経は、脳と脊髄からなる。末梢神経は、脳神経と脊髄神経からなる。

(5)× 痛覚は、脊髄後根を通って脊髄に入り、脳に伝えられる。
 知覚神経の細胞体は、脊髄後根につながる脊髄神経節にある。痛覚を含むすべての知覚神経は脊髄後根を通って脊髄に入る。一方、すべての運動神経は、脊髄前根を通って脊髄を出る。これをベル・マジャンディーの法則という。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2012-11-22 16:00 | 第26回国家試験 | Comments(0)