2013年 04月 12日
臨床栄養学
(1)妊娠前から診断されている糖尿病をいう。
(2)血糖コントロール目標は、朝食前血糖値を150㎎/㎗とする。
(3)妊娠に伴うエネルギー付加は、行わない。
(4)薬物療法には、インスリンを用いる。
(5)ケトン体産生を亢進させる食事とする。
(1)× 妊娠前から糖尿病が明らかで妊娠した場合は、「糖尿病合併妊娠」という。
妊娠糖尿病(gestational diabetes)の定義は、「妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常」である。診断基準は、75gOGTTにおいて、次の基準の1点以上を満たした場合である。ただし、臨床診断において糖尿病と診断されるものは除外する。
空腹時血糖値≧92㎎/㎗
1時間値≧180㎎/㎗
2時間値≧153㎎/㎗
(2)× 血糖コントロール目標は、「優」が望ましいが、「良」でも許容できる。
血糖コントロールの「優」は、空腹時血糖値80~110㎎/㎗、食後2時間値80~140㎎/㎗、HbA1c 6.2%未満である。「良」は、空腹時血糖値110~130㎎/㎗、食後2時間値140~180㎎/㎗、HbA1c 6.2~6.9%である。朝食前血糖値150㎎/㎗は、「可」であるので、許容できない。
(3)× 妊娠に伴うエネルギー付加を行う。
妊娠糖尿病の食事療法にいては、妊婦に必要にして十分な栄養を付加し、適正な体重増加を目指す。付加の目安は、以下のとおりである。
非肥満妊婦(BMI<25)の場合 妊娠初期 標準体重×30㎉+50㎉
妊娠中期 標準体重×30㎉+250㎉
妊娠末期 標準体重×30㎉+450㎉
授乳期 標準体重×30㎉+350㎉
肥満妊婦の場合(BMI≧25)の場合 標準体重×30㎉
(4)○ 薬物療法には、インスリンを用いる。
妊娠前、妊娠中、周産期、授乳期の薬物療法は、インスリンを用いる。経口血糖降下薬が妊娠に対して与える影響について、安全性が確立しているとは言えないので、原則としてインスリン治療に変更する。
(5)× ケトン体産生を亢進させる食事としない。
ケトン体が、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があるので、体重減少や飢餓状態を招くようなエネルギー制限は行わない。
正解(4)