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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

27-28 加齢に伴う変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)老年症候群では、ADLは維持される。
(2)フレイルティーとは、身体機能の向上をいう。
(3)サルコペニアとは、皮下脂肪の減少をいう。
(4)廃用症候群は、生活の不動性によって生じる。
(5)ロコモティブシンドロームでは、要介護になるリスクは低い。

(1)× 老年症候群とは、加齢にともなう心身の機能の衰えが原因となって出現する症状の総称である。主な症状には、誤嚥、転倒、失禁、褥瘡、認知症、便秘、脱水、腰痛などがある。ADL(activities of daily living)とは、食事、更衣、移動、排泄、整容、入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動のことである。老年症候群では、当然、ADLは低下する。

(2)× フレイルティー(frailty)とは、虚弱という意味である。ここでのフレイルティーの定義は、「加齢に伴う種々の機能低下(予備力の低下)を基盤とし、種々の健康障害に対する脆弱性が増加している状態」で、老年症候群に含まれる。フレイルティーの判定基準には、①体重減少、②主観的活力低下、③握力の低下、④歩行速度の低下、⑤活動度の低下の5項目があり、このうち3項目以上当てはまればフレイルティーとされる。

(3)×サルコペニア(sarcopenia)の「サルコ(sarco-)」は「筋肉」、「ペニア(-penia)」は、「欠乏」という意味である。よって、サルコペニアは、筋肉量が減少した状態をいう。

(4)○ 廃用症候群とは、安静状態が長期に渡って続く事によって起こる心身の機能低下のことである。廃用症候群の症状には、筋萎縮、関節拘縮、褥瘡(床ずれ)、廃用性骨萎縮(骨粗鬆症)、起立性低血圧、精神的合併症、括約筋障害(便秘・尿便失禁)などがある。

(5)× ロコモティブシンドロームは、運動器の障害により要介護になるリスクの高い状態のことである。


正解(4)
by kanri-kokushi | 2013-05-21 13:17 | 第27回国家試験 | Comments(0)