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臨床栄養学

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23-131 痛風に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 治療目標は、血清尿酸濃度8.0mg/dL以下である。
b 痛風は、視覚障害をきたす。
c 尿路結石の予防には、尿の酸性化を避ける。
d アロプリノールは、尿酸産生を抑制する。
(1)aとb (2)aとc (3)aとd (4)bとc (5)cとd

a× 治療目標は、血清尿酸濃度6.0㎎/㎗以下である。
 おおよその数値であるが、血清尿酸値は7.0㎎/㎗で飽和することから、血清尿酸値7.0㎎/㎗以上を高尿酸血症という。血清尿酸濃度6.0㎎/㎗以下のコントロールできた場合、6.0㎎/㎗以上の場合に比べて、統計学的に優位に痛風発作の発症を抑制できたというエビデンスから、治療目標は、血清尿酸濃度6.0㎎/㎗以下とされている。

b× 痛風は、視覚障害をきたす。
 痛風とは、核酸に含まれるプリン体の代謝異常による高尿酸血症を基礎病態とし、尿酸塩結晶に起因する急性関節周囲炎(痛風発作)と腎障害(痛風腎、尿酸結石)を主症状とする疾患である。高尿酸血症には、肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧など生活習慣病が高率に合併する。視覚障害は、きたさない。

c〇 尿路結石の予防には、尿の酸性化を避ける。
 尿酸は、酸性で溶解度が低下するので、尿が酸性化すると尿酸結石ができる可能性が高くなる。尿酸結石を予防するために、1日2,000㎖の尿量を保つように指導し、就寝前の飲水も勧めて尿が濃縮するのを避ける。発汗時、運動時には飲水を促す。海草、野菜など、尿のアルカリ化に効果がある食品(アルカリ性食品)を勧める。尿アルカリ化薬(重曹、クエン酸K・クエン酸Na配合製剤)を必要に応じて使用する。

d〇 アロプリノールは、尿酸産生を抑制する。
 アロプリノールは、キサンチン酸化酵素を阻害して、ヒポキサンチン、キサンチンから尿酸への酸化が抑制され、尿酸の生成が減少する。ヒポキサンチンとキサンチンが蓄積するが有害ではなく、PRPP(5-ホスホリボシル-1-リン酸)消費増加によりプリン体生成抑制効果もある。副作用として、皮疹、中毒症候群、骨髄抑制などがある。尿酸排泄低下型で使用すると、アロプリノールの代謝産物であるオキシプリノールの排泄が障害されて副作用の頻度が高くなる。

日本痛風・核酸代謝学会から「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版(2010年改訂)」が出ているので目を通しておこう。

正解(5)
by kanri-kokushi | 2013-10-15 15:29 | 第23回国家試験 | Comments(0)