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解剖生理学

18-82.骨構造についての記述である。正しいのはどれか。
(1)骨の関節面は骨膜で被われている。
(2)骨膜は骨折時の再生に関与している。
(3)硬い緻密質で血液細胞がつくられる。
(4)椎骨は長骨に分類される。
(5)骨表面の孔には、腱や靭帯が走行している。

(1)骨(コツ)の関節面は関節軟骨で被われている。関節軟骨は骨と骨が接触する関節面においてクッションの役割を果たしている。関節軟骨が薄くなったり、破れたりしてクッションの役割を果たせなくなった状態を変形性関節症といい、高齢者の膝関節や股関節でよく見られ、痛みのために歩行が困難になることがある。骨膜は関節面以外の骨の表面を被っている。

(2)骨膜は、関節面以外の骨の表面を被っている結合組織で、骨を作り出す骨芽細胞の元になる骨母細胞が存在する。骨母細胞は、成長期には骨膜は骨の太さの成長に関与しているし、骨折したときには骨組織を修復することにも関与している。

(3)骨組織には硬い層状構造の緻密質と海綿状構造をした海綿質の2種類がある。骨の表層は緻密質で被われているが、内部には海綿質があり、空洞になっている。骨内部の空洞の部分を骨髄という。骨髄には造血細胞を多く含んだ赤色骨髄と、脂肪組織を多く含んだ黄色骨髄がある。血液細胞は赤色骨髄でつくられる。

(4)骨は形状により、細長い長骨(上腕骨、大腿骨など)、丸い石ころのような短骨(手根骨、足根骨など)、平べったい扁平骨(頭頂骨、前頭骨など)、でこぼこした不規則骨(椎骨、下顎骨など)に分類される。椎骨(ツイコツ)とは頚椎、胸椎、腰椎、仙椎など脊椎(いわゆる”せぼね”)を構成する骨だ。

(5)骨の表面にある穴からは血管が出入りして骨に栄養を送っている。特に骨髄には大きな血管が出入りしており、その血管が通る孔を栄養孔という。骨膜には知覚神経が豊富に分布している。弁慶の泣き所を打つとものすごく痛いのはこのためだ。は骨格筋の両端にあって骨の表面に付着している。靭帯はひも状・帯状の丈夫な結合組織で、関節をはさんで骨の表面に付着して関節を補強している。いずれも孔を走行するものではない。

正解(2)
by kanri-kokushi | 2005-12-08 13:16 | 第18回国家試験 | Comments(0)