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臨床栄養学

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22-124 電解質異常とそれらの原因となる病態との関係である。正しいものの組合せはどれか。
a 低カリウム血症 - 原発性アルドステロン症
b 高ナトリウム血症 - 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
c 高カルシウム血症 - 原発性副甲状腺機能亢進症
d 高カリウム血症 - 下痢による腸液喪失
(1)aとb(2)aとc(3)aとd(4)bとc(5)cとd

a〇 低カリウム血症 - 原発性アルドステロン症
 原発性アルドステロン症は、副腎皮質からアルドステロンが過剰に分泌されて、高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスなどが出現する疾患である。アルドステロンが過剰に分泌される原因として一側の良性腫瘍(80~90%)が多く、両側の過形成(10~20%)のこともある。アルドステロンは、腎臓の集合管で、Naの再吸収とK排泄を促進するので、低K血症になる。

b× 低ナトリウム血症 - 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH, syndrome of inappropriate secretion of ADH)は、下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモンの分泌亢進により、体内に水が過剰貯留する病態である。抗利尿ホルモンは、腎臓の集合管に働いて、水の再吸収を促進するので、低Na血症が出現する。

c〇 高カルシウム血症 - 原発性副甲状腺機能亢進症
 副甲状腺から分泌される副甲状腺ホルモン(パラソルモン)は、①骨吸収を促進して、骨からのCa動員を増加させる、②腎臓に働いてビタミンDの活性化を促進することにより、小腸でのCaの吸収を促進する。③腎臓の尿細管に働いてCaの再吸収を促進する、の3つの作用により、血清Ca濃度を上昇させる。

d× 低カリウム血症 - 下痢による腸液喪失
 腸液には、Kが含まれている。下痢により、体外へ失われるK量が増加するので、低K血症になる。

正解(2)
by kanri-kokushi | 2014-01-23 14:25 | 第22回国家試験 | Comments(0)