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解剖生理学

18-87.生殖器系に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)一次精母細胞の染色体数は、22+Xまたは22+Yである。
(2)前立腺から分泌される精液は弱酸性である。
(3)精巣は内胚葉から分化する。
(4)卵巣の髄質には発達段階の卵胞がある。
(5)子宮壁は外膜、筋層、内膜の3層からなる。

(1)減数分裂は何度勉強してもすぐに忘れてしまう。今、私はノートを見ながらこれを書いている。まず精子の元になる細胞を精祖細胞という。この細胞は絶えず細胞分裂を繰り返して精子の元を作り続けている。この精祖細胞の一部が減数分裂に入って一次精母細胞(44+XY)になる。一次精母細胞が第1減数分裂を終えたものが二次精母細胞(22+XまたはY)だ。つまり一次精母細胞が、第1減数分裂で染色体が半減して、二次精母細胞になるんだね。二次精母細胞は第2減数分裂をして精子細胞(22+XまたはY)になる。第2減数分裂では染色体の数は変わらないぞ。このあたりが紛らわしいね。

(2)精液には精子の他に精嚢からの分泌液(60%)と前立腺からの分泌液(20%)が含まれている。これら乳白色の分泌液はアルカリ性で、酸性の膣液を中和する役割がある。もし、これらがなければ精子は酸性の膣液の中で死んでしまうんだ。ついでにもうひとつ、精液が出る前に、無色透明の粘液が尿道から出るけど、これは尿道球腺(カウパー腺)からの分泌液で酸性の尿道を中和して、精子の通過に備えるんだ。

(3)精巣は中胚葉由来だ。

(4)卵巣は二つに割ってその割面を見ると、皮質と髄質に分けられる。髄質は結合組織からなるもので卵巣門から血管、リンパ管、神経が侵入している。皮質にはさまざまな成熟段階の卵胞や黄体、白体が存在する

(5)子宮は骨盤腔にあって膀胱とS状結腸・直腸に挟まれて存在している。子宮の壁は内膜、筋層、外膜の3層からなる。内膜は機能層基底層にわかられ、機能層は増殖、分泌、剥離を繰り返す。筋層は平滑筋からなり、分娩時にはオキシトシンの作用で平滑筋が収縮する。

正解(5)
by kanri-kokushi | 2005-12-15 12:35 | 第18回国家試験 | Comments(0)