人気ブログランキング | 話題のタグを見る

臨床栄養学

28-130 SOAPと記録の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)S - 推定脂質摂取量80ℊ/日
(2)O - 昼食摂取方法の指導
(3)O - 上腕筋囲23㎝
(4)A - 昨日から腹が痛い
(5)P - 血清CRP(C反応性たんぱく質)値2.0㎎/㎗

 POS(problem-oriented system)は、臨床の現場において患者の問題を明らかにし、問題を評価し、問題解決のための計画を立てて実行するためのシステムである。POSは、1964年ウィード(Lawrence Weed)(米)により考案され、1973年あの有名な日野原重明先生により日本に紹介された。ウィードによると、POS以前の診療記録は「不規則であり、組織だっておらず、印象を書き散らした雑記帳かメモのようなもの」であった。診療記録は、医療の研究、教育の基盤であるばかりでなく、医療従事者のコミュニケーションの場(情報の共有)でもあるとの認識から、診療記録を一定のルールに基づいて整理することが必要である。POSに従った診療記録が、POMR(problem-oriented medical record問題指向型医療記録)である。
 POMRは、①データベース、②問題リスト、③初期計画、④経過記録で構成される。データベースには、患者プロフィール、主訴、現病歴、既往歴、家族歴、身体所見(現症)、検査データ、食事・栄養調査など患者のデータを記載する。問題リストには、データベースから抽出した問題をすべて列挙し、重要なものから番号をつける。初期計画には、問題ごとに、診断、治療、教育の計画を記載する。経過記録には、問題ごとに、SOAPにしたがって記載する。
 Sは、主観的情報(Subjective data)のことである。Oは、客観的情報(Objective data)のことである。Aは、評価(Assessment)のことである。Pは、計画(Plan)のことである。問題リストを修正、整理、統合しながら、すべての問題が解決するまでSOAPを繰り返す。評価(Assessment)には、実施した検査・治療の目的を達成できたかどうか、問題点は解決できたかどうかを記載する。例えば、診断のための検査を行ったのであれば、診断できたかどうかを記載する。治療を行ったのであれば、治療がうまくいったかどうかを記載する。検査・治療の目的が達成できなかった場合は、その理由を記載する。計画(検査・治療)は、問題点に対して仮説(診断・病態)を立て、それを解決するための手段を記載する。

(1)× O - 推定脂質摂取量80ℊ/日(客観的情報)
(2)× P - 昼食摂取方法の指導(計画)
(3)〇 O - 上腕筋囲23㎝(客観的情報)
(4)× S - 昨日から腹が痛い(主観的情報)
(5)× O - 血清CRP(C反応性たんぱく質)値2.0㎎/㎗(客観的情報)

正解(3)
by kanri-kokushi | 2015-02-13 16:13 | 第28回国家試験 | Comments(0)