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臨床栄養学

29-141 脳梗塞回復期の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)たんぱく質を制限する。
(2)水分を制限する。
(3)食物繊維を制限する。
(4)嚥下能力を確認する。
(5)ワルファリン使用時は、ビタミンEを制限する。

(1)× たんぱく質を制限しない。
 腎機能の低下、肝機能の低下を合併していなければ、たんぱく質は日本人の食事摂取基準に準じた投与量で問題ない。

(2)× 水分を制限しない。
 脱水は、脳血流障害の原因になるので、再梗塞を予防するために必要な水分を投与する。

(3)× 食物繊維を制限しない。
 脳梗塞の背景にある動脈硬化症を予防するため、食物繊維の摂取を勧める。

(4)○ 嚥下能力を確認する。
 脳梗塞は、動的嚥下障害の原因になる。動的嚥下障害は誤嚥の原因になる。誤嚥は、誤嚥性肺炎の原因になる。誤嚥性肺炎を予防するために、嚥下能力を確認することは必要である。嚥下能力の評価結果に応じて、直接訓練や間接訓練などの嚥下訓練を行う。

(5)× ワルファリン使用時は、ビタミンKを制限する。
 ワルファリンは、ビタミンKによく似た構造を持つことから、ビタミンKの作用に拮抗する。ビタミンKは、肝臓での凝固因子Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹの合成に必須のビタミンである。ワルファリンは、ビタミンKの作用に拮抗することにより血液凝固を抑制し、再梗塞を予防する薬である。ビタミンKを含む食品(納豆など)の摂取は、ワルファリンの作用を減弱させるので制限する。

正解(4)
by kanri-kokushi | 2016-01-15 09:32 | 第29回国家試験 | Comments(0)