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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

20-22.細胞小器官とそれらの機能の組合せである。正しいのはどれか。
(1)中心体 - 細胞質内の異物を分解処理する。
(2)ゴルジ装置 - 細胞分裂の際に染色体を移動させる。
(3)ミトコンドリア - ATPを合成する。
(4)粗面小胞体 - 細胞骨格を構成する。
(5)リソソーム - たんぱく質合成の場となる。

この問題も特に迷うようなところはない。高校生物レベルの問題だ。さっさと片付けよう。
人体の構造と機能に関する問題は専門用語を見た時に、映像が頭に浮かぶようにすることが大事だ。解説を読むときは必ず、教科書の図で確認するようにしよう。

①中心小体
細胞分裂をするときに紡錘糸の合成中心になる。細胞分裂の際に、紡錘糸が伸びたり縮んだりして染色体を移動させるときに働く。

②ゴルジ装置
粗面小胞体で合成されたタンパク質を集積、加工、濃縮して分泌顆粒やリソソームを生成する。

分泌顆粒はホルモンや消化酵素などを含む顆粒である。細胞が刺激されると分泌顆粒は細胞膜と融合し、内容物を細胞外へ放出する。

③ミトコンドリア
内膜外膜の二重の脂質二重層からなる。内膜にはクリステと呼ばれる多数のヒダがある。マトリックスと内膜にはクエン酸回路と電子伝達系の酵素があり、ATPを合成する。ミトコンドリアには固有のDNAが存在し、自己複製する。ミトコンドリアDNAは一部のミトコンドリア・タンパク質をコードしているが、大部分のミトコンドリア・タンパク質は核のDNAにコードされている。ATPは内膜の内外のH+濃度勾配を利用してATP合成酵素により合成される。

④小胞体
リボゾームが付着した粗面小胞体とリボゾームがない滑面小胞体がある。粗面小胞体では分泌タンパク質や膜タンパク質を合成が行われる。滑面小胞体では解毒や脂肪の合成が行われる。

リボゾームはmRNAの情報をもとにタンパク質を合成する。リボゾームはタンパク質とRNAで構成されている。

⑤リソソーム
内部に種々の加水分解酵素を含む。細胞内に取り込んだ異物や細胞内の不要な物質を分解する。

⑥ペルオキシソーム
過酸化水素(H2O2)を産生する酵素と分解する酵素(カタラーゼ)を含む。白血球の殺菌作用に重要である。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2006-03-30 09:30 | 第20回国家試験 | Comments(0)