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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

21-47 感染症と原因微生物に関する組合せである。正しいのはどれか。
(1)手足口病 - リケッチア
(2)カリニ肺炎 - 細菌
(3)流行性耳下腺炎 - クラミジア
(4)流行性角結膜炎 - マイコプラズマ
(5)帯状疱疹 - ウイルス

 感染症については、以前の国家試験では病理学で出題されていて、形式として病原微生物と病名の組み合わせの正誤を問う問題がよく出題されている。同じものが繰り返し出題されているので、過去問をよく見ておこう。「でも、そんなの関係ねー!」ことはない。

①手足口病
 手足口病はエンテロウイルスの1種であるコクサッキーA群ウイルス16型あるいはエンテロウイルス71型の感染が原因である。小児において発熱、咽頭痛、口腔粘膜と手足の皮膚に小さな水泡が出現する。1週間程度で自然に治る。ウイルス感染が原因で手、足、口に水泡ができる病気と覚えておこう。

②リケッチアとクラミジア
 リケッチアとクラミジアはどちらも細菌に分類されるけど、他の細菌と違うところは動物細胞の中でしか増殖できないウイルスのような性質を持った細菌であるというところだ。リケッチアが人への感染するためには節足動物の媒介を必要とするけど、クラミジアはそれを必要としない。
 リケッチア感染症には発疹チフス、ツツガムシ病、Q熱などがある。クラミジア感染症にはオウム病、クラミジア肺炎、トラコーマなどがある。最近は性感染症として非淋菌性尿道炎、子宮頚管炎が注目されている。トラコーマとはクラミジア感染による流行性角結膜炎のことである。
 クラミジアはグラム陰性菌に似た外膜を持つが、ペプチドグリカンの層からなる細胞壁を持たないので、ペニシリン系やセフェム系抗生物質は無効である。治療にはテトラサイクリン系またはマクロライド系の抗生物質が第1選択薬である。

③カリニ肺炎
 カリニ肺炎はニューモシスチス・カリニ感染症である。ニューモシスチス・カリニは細菌ではない。教科書によっては原虫に分類しているものや、真菌に分類しているものがあるけど、「標準微生物学」(医学書院)によると、現在では真菌の1種である説が有力だそうだ。
 通常の状態では無害な弱毒菌であるが、宿主の感染防御能の低下(エイズや免疫抑制剤の使用など)により日和見感染を起こす微生物である。

④流行性耳下腺炎
 ご存じおたふく風邪のことだ。ムンプスウイルスに感染によるものである。

⑤マイコプラズマ
 マイコプラズマは自己増殖能を持つ細菌の中でもっとも小さく、細胞壁を持たない。よってペニシリンなど細胞壁合成を阻害する抗生物質は無効である。マイコプラズマ肺炎を起こす。

⑥帯状疱疹
 ヘルペスウイルスの1種で水ぼうそう(水痘)を起こす水痘帯状疱疹ウイルスが原因である。水ぼうそうを起こしたのち、水ぼうそうは治っても、神経細胞に潜伏している。その後何年もたって宿主の免疫能が低下した時にウイルスが活性化し、潜伏していた神経の支配領域に水泡、発疹、疼痛を引き起こす。

正解(5)

by kanri-kokushi | 2007-08-30 16:43 | 第21回国家試験 | Trackback | Comments(0)
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