管理栄養士国家試験問題を徹底解説します
by kanri-kokushi
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-46 性周期に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)排卵後、卵胞は白体から黄体へと変化する。
(2)プロゲステロンは、子宮内膜を増殖・肥厚させる。
(3)プロラクチンは、排卵を誘発する。
(4)卵胞期に、エストロゲンの分泌が高まる。
(5)黄体期に、基礎体温は低下する。

(1)× 排卵後、卵胞は黄体から白体へと変化する。
 卵胞は、1個の卵細胞とそれを包む卵胞上皮細胞からなる。すべての原始卵胞は、胎生期につくられる。原始卵胞は、思春期までは成熟することなく卵巣内で静止している。月経周期のはじめに複数の卵胞が発育を始めるが、そのうち1つの卵胞だけが成熟卵胞になり、その他は萎縮する。卵胞の成熟につれて、単層であった卵胞上皮細胞は増殖して多層となる。最終的には卵細胞を包む内卵胞膜、その外側を包む外卵胞膜を形成し、中に卵胞液を含む成熟卵胞(グラーフ卵胞)となる。卵胞は、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌する。グラーフ卵胞は、破裂して、卵子を腹腔内に放出(排卵)する。排卵された卵子は、卵管に取り込まれて子宮に運ばれる。排卵後の卵子の寿命は、受精が起こらなければ12~24時間である。卵細胞を失った卵胞は、黄体となり、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する。黄体は、着床が行われない場合は排卵後6~8週で消滅し、瘢痕である白体となる。

(2)× エストロゲンは、子宮内膜を増殖・肥厚させる。
 月経終了から約2週間は、卵胞刺激ホルモン(FSH)の作用で卵胞が成熟する。卵胞からは、卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜を増殖・肥厚させる。これを子宮内膜の増殖期といい、卵巣の卵胞期に一致する。月経終了後14日目頃エストロゲン分泌がピークに達すると、エストロゲンの正のフィードバック作用により黄体形成ホルモン(LH)の急激な分泌増加(LHサージ)が起こる。LHサージは、排卵を起こす。排卵後の卵胞は、黄体を形成する。黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)は、肥厚した子宮内膜を維持し、受精卵が着床するのに適した状態を作り出す。これを子宮内膜の分泌期といい、卵巣の黄体期に一致する。妊娠が起こらないときは、約2週間後に黄体が退化し、プロゲステロンの分泌が減少して子宮内膜を維持できなくなり、機能層の脱落が起こって月経(消退出血)となる。これを月経期という。

(3)× 黄体形成ホルモンは、排卵を誘発する。
 エストロゲンの正のフィードバック作用によって引き起こされる黄体形成ホルモン(LH)の急激な分泌増加(LHサージ)が排卵を起こす。

(4)〇 卵胞期に、エストロゲンの分泌が高まる。
 卵胞期には、卵胞上皮細胞からエストロゲンの分泌が高まる。黄体期には、黄体からプロゲステロンの分泌が高まる。

(5)× 黄体期に、基礎体温は上昇する。
 黄体期に、黄体から分泌されるプロゲステロンは体温を上昇させる作用がある。よって、基礎体温は、排卵後の黄体期に高温期となる。

正解(4)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-28 13:54 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-45 運動器疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)骨粗鬆症は、若年男性に好発する。
(2)クッシング症候群は、骨粗懸症の原因となる。
(3)やせは、変形性関節症のリスク因子である。
(4)ビタミンA欠乏は、骨軟化症の原因となる。
(5)ビタミンK欠乏は、くる病の原因となる。

(1)× 骨粗鬆症は、閉経後の女性に好発する。
 骨粗鬆症は、全身的に骨量が減少し、骨微細構造の変化が起こり、その結果、骨脆弱性が増大し、骨折の危険性が高まった状態をいう。骨組織中のミネラル成分と非ミネラル成分の比率が、著しく低下することはなく、骨の質的変化は少ない。骨量は、16~18歳で最大骨塩量に達し、30~40歳以後、加齢とともに減少するので、加齢とともに発症数は増加する。危険因子として、低栄養、低体重、高年齢、女性、運動不足、喫煙、過度のアルコール摂取、カルシウム摂取不足、ビタミンD不足、ビタミンK不足、女性ホルモン不足状態などがある。閉経によりエストロゲン不足となり、骨吸収が亢進するものを、閉経後骨粗鬆症という。ビタミンKは、骨芽細胞のオステオカルシン産生、石灰化促進作用、骨吸収抑制効果があるので、ビタミンK欠乏は骨粗鬆症の危険因子になる。オステオカルシンは、骨の非コラーゲン性たんぱく質の25%を占め、骨の石灰化に関与している。

(2)〇 クッシング症候群は、骨粗鬆症の原因となる。
 クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールを過剰分泌する疾患である。コルチゾールは、腸管でのCa吸収の抑制、腎でのCa再吸収抑制により、二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こす。骨組織に対しても、骨芽細胞の活動を抑制し、破骨細胞の活動を亢進させる。その他、糖尿病では、インスリンの作用不足により骨芽細胞の活動が低下する。また、尿糖の排泄はCaの尿中排泄を促進し、二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こす。腎不全では、ビタミンD活性化の障害により、Ca吸収が低下して二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こす。胃切除後症候群では、胃酸の不足によりCaのイオン化が減少し、Ca吸収が低下して二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こす。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、甲状腺ホルモンが破骨細胞を活性化する。

(3)× 肥満は、変形性関節症のリスク因子である。
 変形性関節症は、関節面の関節軟骨が薄くなり線維化、断裂などが出現する一方、辺縁の骨や軟骨が不規則に増殖して骨棘を形成して関節の変形をきたす。40~50歳代の女性に多く、膝関節(最も多い)、股関節、肘関節、足関節などに起こる。加齢、肥満、O脚などが、関節軟骨の劣化を促進する要因が危険因子になる。

(4)× ビタミンD欠乏は、骨軟化症の原因となる。
(5)× ビタミンD欠乏は、くる病の原因となる。
 くる病も、骨軟化症も、血清Ca濃度および血清P濃度の低下による、骨石灰化障害である。骨端線閉鎖前の小児に発症した場合をくる病といい、骨端線閉鎖後の成人に発症した場合を骨軟化症という。主な原因は、ビタミンD欠乏による小腸でのCa,Pの吸収障害である。ビタミンD欠乏になる主な原因は、閉塞性黄疸、慢性膵炎、胃切除後症候群、過剰な制酸剤服用、妊娠授乳、過剰な食物繊維摂取、過剰なリン摂取、腎不全、イタイイタイ病などである。イタイイタイ病は、カドミウム蓄積により、尿細管のCa再吸収が障害される。ビタミンA欠乏症は、夜盲症(暗順応不良)、眼球乾燥、皮膚乾燥、成長停止などを起こす。ビタミンK欠乏症は、溶血性貧血、皮膚硬化症、色素沈着、筋力低下、腱反射消失などを起こす。

正解(2)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-28 13:33 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-44 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)喫煙は、リスク因子である。
(2)食欲は、増進する。
(3)呼吸機能検査では、拘束性障害のパターンを示す。
(4)動脈血中の酸素分圧は、上昇する。
(5)安静時エネルギー消費量(REE)は、減少する。

(1)〇 喫煙は、リスク因子である。
 COPDは、慢性気管支炎と肺気腫の病変がさまざまな程度に存在する疾患で、慢性の咳、痰、呼吸困難を主訴とし、緩やかに進行する不可逆的な疾患である。空気を吸い込むときは、肺が膨張するので、気道も開く。しかし、空気を吐き出すときは、肺が収縮するので、気道も押しつぶされて閉塞し、肺胞に入った空気を吐き出せなくなる。肺の中に残る空気(残気量)が増加して、肺の過膨張が起き、肺胞構造が破壊される。タバコや大気汚染などの障害性の物質に対して異常な炎症反応が起こり、非可逆性の気道閉塞が進行すると考えられている。

(2)× 食欲は、低下する。
 肺の過膨張により、横隔膜が押し下げられるために生じる腹部膨満感が生じ、食欲は低下する。

(3)× 呼吸機能検査では、閉塞性障害のパターンを示す。
 診断基準は、呼吸機能検査で、気管支拡張薬投与後の1秒率が70%未満である。その他、全肺気量の増加、残気量・機能的残気量の増加などが見られる。

(4)× 動脈血中の酸素分圧は、低下する。
 肺胞でのガス交換の障害により、動脈血ガス分析では、血中O2分圧の低下、血中CO2分圧の上昇が見られる。

(5)× 安静時エネルギー消費量(REE)は、増加する。
 努力して呼吸を行うために安静時エネルギー消費量が増加している。さらに食欲低下が加わって、たんぱく質・エネルギー欠乏症(protein energy malnutrition, PEM)をきたしやすい。腹部膨満感を予防するためには、少量頻回食とする。分岐鎖アミノ酸(branched chain amino acids、BCAA)の投与は、骨格筋量の減少を抑制する効果が期待できる。高脂質食は、呼吸商が低下し、CO2産生量が少なくなるので有利とする考え方もある。

正解(1)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-27 17:13 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-43 呼吸器系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)横隔膜は、呼気時に収縮する。
(2)気管支平滑筋は、副交感神経の興奮で弛緩する。
(3)血中二酸化炭素分圧の上昇は、ヘモグロビンの酸素結合能力を増加させる。
(4)二酸化炭素は、血液中で重炭酸イオン(HCO3-)になる。
(5)1秒量とは、最大呼気位から最初の1秒間に吸入できる量である。

(1)× 横隔膜は、吸気時に収縮、呼気時に弛緩する。
 横隔膜は、胸部と腹部を隔てる骨格筋である。ドーム状の形をしており、筋線維は放射状に並んでいるので、収縮すると平になり、弛緩するとドーム状になる。胸腔内圧に比べて、腹腔内圧が高いので、腹腔の臓器に押し上げられて、上に凸のドーム状になる。横隔膜が収縮すると、腹部臓器を下に押し下げるので、胸郭内の体積が広くなり、肺が拡張し、空気が肺胞に流れ込んでくる。これを吸気という。横隔膜が弛緩すると、腹部臓器が横隔膜を押し上げるので、肺は収縮し、肺胞内の空気を吐き出す。これを呼気という。

(2)× 気管支平滑筋は、交感神経の興奮で弛緩する。
 交感神経と副交感神経の作用の覚え方は、個体にとって緊急時が交感神経、リラックス時が副交感神経ということで理屈をつけるとよい。ライオンに襲われた時は、急いで逃げなければならない。そのためには手足の骨格筋を活発に動かさなければならない。そのためには、酸素をたくさん含んだ血液を筋肉に送らなければならない。そのためには、心拍数を挙げ、血圧を上げ、心拍出量を増やさなければならない。そして、肺ではたくさんの空気を肺胞に取り入れなければならない。よって、交感神経は、気管支平滑筋を弛緩させることにより、気管支を拡張する。

(3)× 血中二酸化炭素分圧の上昇は、ヘモグロビンの酸素結合能力を低下させる。
 ヘモグロビンは、酸素を肺で受け取り、組織で放出する。よって、肺では、酸素結合能が上昇し、組織では酸素結合能が低下しなければならない。肺では、外気は入るので血液の温度は低下する。そしてCO2が排泄されるので、CO2分圧は低下し、pHは上昇する。このような変化は、ヘモグロビンの酸素結合能を上昇させる。一方、組織では、体の内部なので血液の温度は上昇する。組織からCO2が産生されるので、CO2分圧は上昇し、pHは低下する。このような変化は、ヘモグロビンの酸素結合能を低下させる。

(4)〇 二酸化炭素は、血液中で重炭酸イオン(HCO3-)になる。
 血液中の二酸化炭素は、5%が物理的に水に溶解し、5%がヘモグロビンと結合し、90%がHCO3-として運搬される。二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から炭酸(H2CO3)ができて、水素イオン(H+)と重炭酸イオン(HCO3-)に解離する。CO2とH2OからH2CO3を生成する反応は、赤血球内にある炭酸脱水素酵素が行う。炭酸は弱酸なので、部分的に解離することにより、酸塩基平衡においてpHを一定に保つ緩衝作用を有する。

(5)× 1秒量とは、最大吸気位から最初の1秒間に排泄できる呼気量である。
 最大吸気位から最大呼気位まで最大の速度で吐き出した時の空気の量を努力肺活量という。努力肺活量の最初の1秒間に排泄する呼気量を1秒量という。1秒量が、肺活量に占める割合を1秒率という。気管支に閉塞があると、肺胞内の空気を押し出すのに時間がかかる。よって、1秒量は、減少する。

正解(4)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-27 16:55 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-42 神経疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)くも膜下出血は、脳実質内の出血である。
(2)ラクナ梗塞(穿通枝梗塞)は、太い血管に生じる脳梗塞である。
(3)アテローム血栓性脳梗塞は、細動脈の変性によって生じる。
(4)ウェルニッケ脳症は、ビタミンB12欠乏でみられる。
(5)パーキンソン病では、脳内のドーパミンが欠乏している。

(1)× くも膜下出血は、脳の表面のクモ膜下腔で起こる出血である。
 脳の実質と、それを囲む頭蓋骨の間には、髄膜が存在する。髄膜は、頭蓋骨側から硬膜、クモ膜、軟膜の三層で構成されている。軟膜の下には、脳の実質が存在する。クモ膜と軟膜の間の空間をクモ膜下腔という。クモ膜下腔は、脳脊髄液で満たされている。また、脳の表面を走行する血管もある。その血管に、動脈瘤ができて、破裂したものが、くも膜下出血である。

(2)× ラクナ梗塞(穿通枝梗塞)は、細い血管に生じる脳梗塞である。
 ラクナ梗塞は、脳内の深部穿痛動脈の閉塞による脳梗塞で、直径15㎜未満の小梗塞巣が認められる。睡眠中、朝覚醒時、安静時に発症することが多い。発生部位により感覚障害、運動麻痺が出現するが、意識障害が出現することはない。症状がなく、CT検査で偶然見つかることも多い。

(3)× アテローム血栓性脳梗塞は、太い動脈の変性によって生じる。
 アテローム血栓性脳梗塞は、脳動脈の粥状硬化巣に血栓が形成されて発症する。ふらつき、しびれ、など一過性脳虚血発作(数分)の前駆症状があることが多い。睡眠中、朝覚醒時、安静時に発症することが多い。閉塞部位により片麻痺など脳局所症候を示す。意識障害は軽いことが多い。

(4)× ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1欠乏でみられる。
 ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1欠乏が原因で、眼球運動障害、失調性歩行、意識障害の三主徴が出現する。

(5)〇 パーキンソン病では、脳内のドーパミンが欠乏している。
 パーキンソン病の原因は、中脳黒質のドーパミン神経細胞の消失である。ドーパミン神経細胞の消失により、軸索の投射部位である線条体のドーパミン含有量が低下することが、パーキンソン病の症状に関係している。パーキンソン病の4大症状は、①安静時振戦、②無動、③筋固縮、④姿勢反射障害である。安静時振戦とは、安静にしているときに手指や足が細かく震える不随意運動ことをいう。症状は、片側の上肢または下肢から始まり、徐々に進行して両側性になる。随意運動によりふるえは減弱する。無動は、動作減少、動作緩慢、小声、小書字、瞬き減少、寝返り減少、仮面様顔貌、流涎(唾液の嚥下現症による)などが出現する。筋固縮は、腕の関節を伸展・屈曲するときにガクガクガクと断続的な抵抗を感じる歯車様固縮が特徴である。姿勢反射障害は、前屈姿勢、突進現象、小刻み歩行、加速歩行(festinating gait)が特徴である。その他、自律神経障害として、脂漏性顔貌、便秘、発汗が出現する。精神症状としては、うつ傾向、認知症が出現する。

正解(5)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-26 16:12 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-41 自己免疫異常によって起こる内分泌疾患である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)パセドウ病
(2)原発性アルドステロン症
(3)褐色細胞腫
(4)クッシング症候群
(5)先端巨大症

(1)〇 パセドウ病は、甲状腺のTSH受容体に対する自己抗体が出現する自己免疫疾患である。
 バセドウ病は、甲状腺によるホルモンの合成・分泌が亢進するために血液中の甲状腺ホルモン濃度が上昇し、過剰なホルモンによる特徴的な臨床症状を呈する。20~50歳代の女性に多い。三大症状(Merseburgの三徴)は、甲状腺腫大、眼球突出、心悸亢進である。

(2)× 原発性アルドステロン症の原因は、一側の良性腫瘍(80~90%)が多く、両側の過形成(10~20%)のこともある。
 副腎皮質からアルドステロンが過剰に分泌されて、高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスなどが出現する。30~50歳代の女性に多い。

(3)× 褐色細胞腫は、副腎髄質の細胞(交感神経節後ニューロン由来)から発生した腫瘍である。
 主な症状は、過剰なカテコールアミンの作用による高血圧、高血糖、代謝亢進、頭痛、発汗過多である。診断は、尿中・血中カテコールアミンおよびその代謝産物を測定して行う。代謝産物には、アドレナリン、ノルアドレナリン、メタネフリン、バニリルマンデル酸(VMA)がある。

(4)× クッシング症候群の原因は、副腎の過形成または腺腫による糖質コルチコイド過剰産生である。
 クッシング症候群では、慢性の糖質コルチコイド過剰分泌により、中心性肥満、高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスなどが出現する。20~40歳代の女性に多い。下垂体のACTH過剰分泌が原因である場合をクッシング病という。クッシング病の80~90%は、下垂体のACTH産生腺腫が原因である。

(5)× 先端巨大症の原因は、下垂体の成長ホルモン産生腫瘍である。
 先端巨大症は、骨端線閉鎖後に下垂体から成長ホルモンが過剰に分泌されて、手足末端の肥大や顔貌の変化、糖尿病、心肥大などが出現する。男女は、1:1である。

正解(1)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-26 14:38 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-40 内分泌器官と分泌ホルモンの組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)下垂体前葉 - パソプレシン
(2)下垂体後葉 - 成長ホルモン(GH)
(3)甲状腺 - チロキシン
(4)副腎皮質 - アドレナリン
(5)副腎髄質 - コルチゾール

(1)× 下垂体後葉 - パソプレシン
 バソプレシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンである。①血漿浸透圧の上昇、②体液量の減少、③痛みや精神的なストレス、④外傷などが刺激となって分泌される。バソプレシンは、腎臓の集合管の水の透過性を亢進させることにより、水の再吸収を促進して尿量を減少させる。抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone, ADH)ともいう。

(2)× 下垂体前葉 - 成長ホルモン(GH)
 成長ホルモンGH(growth hormone)は、下垂体前葉から分泌されるホルモンである。骨端軟骨の増殖促進作用、体内のたんぱく質同化促進作用などがあり、体の成長を促進する。また、肝臓のグリコーゲン分解とグルコース放出を増加させることにより、血糖値を上昇させる。

(3)〇 甲状腺 - チロキシン
 チロキシンは、甲状腺から分泌されるホルモンである。甲状腺ホルモンの主な作用は、①代謝亢進による熱産生量増加、②身体の成長や知能の発育促進、③腸管の糖吸収促進による血糖値上昇、④肝臓でのLDL受容体発現増加によるコレステロール取り込み促進、血清コレステロール低下、⑤交感神経活動の亢進、⑥筋肉たんぱく質の分解促進である。下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモンは、チロキシンの分泌を促進する。チロキシンは、甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制するフィードバック調節を行う。

(4)× 副腎髄質 - アドレナリン
 アドレナリンは、副腎髄質から分泌されるホルモンである。副腎髄質は、交感神経の節後神経細胞から発生(外胚葉由来)したもので、交感神経の緊張により分泌が促進される。副腎髄質から分泌されるホルモンは、アドレナリンが85%を占め、残りの15%はノルアドレナリンである。

(5)× 副腎皮質 - コルチゾール
 コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンである。下垂体前葉から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の作用により、束状帯細胞から分泌される。副腎皮質では、他に、球状帯からアルドステロンが、網状帯から副腎アンドロゲンが分泌される。

正解(3)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-23 17:29 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-39 腎・尿路系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血液中の赤血球は、糸球体でろ過される。
(2)心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの排泄を促進する。
(3)尿細管で再吸収される原尿は、糸球体でろ過された量の約1%である。
(4)エリスロポエチンは、カルシウムの再吸収を促進する。
(5)レニンは、尿管から分泌される。

(1)× 血液中の赤血球は、糸球体でろ過されない。
 糸球体は、毛細血管を形成する内皮細胞と基底膜、およびその外側の足細胞(被蓋細胞)からなる。血管内皮細胞と足細胞はコラーゲンでできた薄い基底膜を挟んで向き合っている。この基底膜を介して血液からボウマン嚢内へ血液の濾過が起こる。水、グルコース、アミノ酸、クレアチニン、尿素、電解質などの小分子は、基底膜を自由に通過することができるが、たんぱく質など大きな分子や血球は通過することができない。これを限外濾過という。ただし、β2ミクログロブリン(HLAクラスⅠのL鎖、HLA(human leukocyte antigen)は、ヒト白血球の抗原)は、分子量が小さいので糸球体を自由に通過し、近位尿細管でほぼ100%再吸収される。よって、糸球体機能が障害されると、血中β2ミクログロブリン濃度が上昇し、尿細管機能が障害されると、β2ミクログロブリンの尿中排泄が増加する。

(2)〇 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの排泄を促進する。
 心房性Na利尿ペプチド(ANP)は、体液量が増加すると、右心房から分泌されるホルモンである。ANPは、アルドステロンの作用に拮抗してNa-Kポンプの活性を抑制する。その結果、集合管からのNa再吸収を抑制することにより、浸透圧利尿を引き起こして体液量を減少させる。

(3)× 尿細管で再吸収される原尿は、糸球体でろ過された量の約99%である。
 濾過と再吸収の数字について、以下のように覚えておこう。1日の尿量は、約1.5ℓ/日である。糸球体で濾過された水の1%が尿として排泄されるので、糸球体濾過量は、150ℓ/日である。糸球体に入った血液の10%が濾過されるので、腎血流は、1,500ℓ/日である。

(4)× エリスロポエチンは、骨髄に働いて赤血球の産生を促進する。カルシウムの再吸収を促進するのは、副甲状腺ホルモンである。
 腎臓の内分泌機能として、3つ覚えておこう。①レニン、②エリスロポイエチン、③ビタミンDである。レニンは、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系によって体液量を調節する。エリスロポイエチンは、低酸素が刺激となって分泌され、赤血球を増加させる。マラソン選手が高地トレーニングをするのは、エリスロポイエチンの分泌を促進するためである。赤血球の寿命は120日あるので、低値の戻っても、しばらくは赤血球が増加した状態が続くので、持久力が高まるのである。体内で産生されたビタミンD3(コレカルシフェロール)または食品由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は、肝臓で25位が水酸化され25-OHビタミンDとなり、続いて腎臓で1位が水酸化され活性型の1,25-OHビタミンDとなる。活性型ビタミンDは、小腸からのCa吸収を促進する。

(5)× レニンは、傍糸球体装置から分泌される。
 腎臓の血流が減少すると、傍糸球体細胞(傍糸球体装置)からレニンが分泌され、血液中を流れるアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変換する。

正解(2)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-23 17:10 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-38 循環器系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)心拍出量は、成人で安静時に約5ℓ/分である。
(2)肺動脈を流れる血液は、動脈血である。
(3)左心室の壁厚は、右心室の壁厚よりも薄い。
(4)副交感神経の興奮により、心拍数は増加する。
(5)血圧が上昇すると、レニンの分泌が増加する。

(1)〇 心拍出量は、成人で安静時に約5ℓ/分である。
 1回の拍動により左心室から拍出される血液量を、1回心拍出量という。成人男子では、約70㎖である。左心室が拡張したときの体積を、一辺約4㎝の立方体を想像してみよう。一分間で拍出される血液量を毎分心拍出量といい、1回心拍出量×心拍数で求めることができる。心拍数を70回/分とすると、毎分心拍出量は、70㎖×70回/分=4900㎖/分で、約5ℓ/分になる。ちなみに、心拍数が増加すると、心室に十分な血液が充満する前に収縮が始まるので、1回心拍出量は減少する。

(2)× 肺動脈を流れる血液は、静脈血である。
 まずは定義から。心臓から出る血管を動脈という。心臓に返ってくる血管を静脈という。よって、心臓から肺に行く血管は、肺動脈である。肺から心臓に返ってくる血管は、肺静脈である。次に、酸素を多く含む血液は、動脈血である。酸素を組織に放出した後の血液は静脈血である。肺動脈は、全身から帰ってきた静脈血を肺に送る。肺で酸素と結合した動脈血は、肺静脈によって心臓に帰る。

(3)× 左心室の壁厚は、右心室の壁厚よりも厚い。
 血液は、動脈を静脈の血圧の差によって、圧力の高いところから低いところへ流れる。肺循環は、心臓から同じ高さにあり、肺動脈から肺静脈への距離も短いことから、肺動脈圧はそれほど高くなくてもよい。一方、体循環は、頭のてっぺんから足の先まで全身に血液を送る必要があることから、大動脈圧はかなり高くなる。実際の肺動脈圧は、大動脈圧の1/5である。血圧が高くなれば、それだけ大動脈の壁厚も左心室の壁厚も厚くなるのは当然である。

(4)× 副交感神経の興奮により、心拍数は減少する。
 正常な心臓では、洞房結節が心拍のペースメーカーになっている。洞房結節では、周期的な活動電位が発生している。活動電位は発生する前の電位を前電位といい、前電位の勾配と深さが心拍数を決める要因になっている。交感神経は、洞房結節、房室結節、脚、プルキンエ線維、心筋に分布している。交感神経は、前電位の勾配を急峻にすることにより、心拍数を増加させる。さらに、交感神経は、刺激伝導速度を速くし、心筋の収縮力を強くする。一方、副交感神経(迷走神経)は、洞房結節と房室結節だけに分布している。副交感神経は、前電位の勾配を緩やかにし、さらに過分極にすることにより心拍数を減少させる。

(5)× 血圧が上昇すると、レニンの分泌が減少する。
 レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系をまとめておこう。①血圧が低下すると、腎臓の血流が減少する。②腎臓の血流が減少すると、傍糸球体細胞(傍糸球体装置)からレニンが分泌される。③レニンは、アンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変換する。アンギオテンシノーゲンは453個アミノ酸からなるたんぱく質で、主に肝臓で合成される。レニンは、アンギオテンシノーゲンのN端を切り離して、10個のアミン酸からなるアンギオテンシノーゲンⅠを生成する。アンギオテンシンⅠには生理活性はない。④アンギオテンシン変換酵素(ACE、angiotensin converting enzyme)は、アンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換する。アンギオテンシン変換酵素は、アンギオテンシンⅠのC端の2つのアミノ酸を切り離して、8個のアミノ酸からなるアンギオテンシンⅡを生成する。⑤アンギオテンシンⅡは、血管を収縮させて、血圧を上昇させる。⑥アンギオテンシンⅡは、副腎皮質に働いて、アルドステロンを分泌させる。⑦アルドステロンは、腎臓(集合管)に働いて、Naの再吸収を促進する。⑧Naの再吸収が促進すると、体液量が増加して、血圧が上昇する。

正解(1)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-23 16:45 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

28-37 炎症性腸疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)クローン病は、50歳代に好発する。
(2)クローン病は、S状結腸に好発する。
(3)クローン病の活動期では、食物繊維の摂取を勧める。
(4)潰傷性大腸炎の患者数は、クローン病より少ない。
(5)潰傷性大腸炎は、大腸がんのリスク因子である。

(1)× クローン病は、10~20歳代に好発する。
 クローン病は、原因不明の消化管の肉芽腫性炎症性疾患である。慢性に経過し、寛解と再燃を繰り返しつつ、徐々に進行する。10~20歳代の男性に好発する。男女比は2~3:1である。
 一方、潰瘍性大腸炎は、原因不明の大腸粘膜のびまん性非特異性炎症性疾患である。慢性に経過し、寛解と再燃を繰り返す。20~30歳台に多いが、小児や50歳以上にも見られる。男女比は1:1である。

(2)× クローン病は、回盲部、肛門、丈夫消化管に好発する。
 クローン病の病変は、区域性で単発あるいは多発する。口腔から肛門までいずれの部位でも起こりえるが、回盲部(約50%)、結腸、直腸、肛門(35%)、小腸、上部消化管(15%)が多い。
 一方、潰瘍性大腸炎の病変は、主として粘膜と粘膜下層を侵し、びらん・潰瘍を形成する。直腸に始まり、連続性に大腸粘膜を侵し、大腸全体にびらんや潰瘍を形成する。直腸炎型(35.6%)、左側大腸炎型(27.8%)、全大腸炎型(36.6%)であり、右側のみや区域性はまれである。

(3)× クローン病の活動期では、経腸栄養(成分栄養)または中心静脈栄養を行う。
 クローン病の活動期では、経腸栄養(成分栄養)または中心静脈栄養により寛解導入を試みる。寛解導入後は、すぐに普通の経口食に戻すと高率に再発するので、在宅経腸成分栄養(自己挿管法)を行うのが原則である。その後、再燃しないことを確かめながら少しずつ経口食に移行する。成分栄養、半消化態栄養、経口食(低脂肪、低残渣食)を組み合わせる比率を症状に合わせて変化させることをスライド方式という。経口食では、高エネルギー食(35~40kcal/㎏/日)とし、低栄養を予防するため消化吸収のよいものを選ぶ。摂取カロリーの不足は再発を促進する。食餌性抗原の負荷軽減のため低たんぱく質・低脂肪食(20ℊ/日以下)とする。ただし、魚類のたんぱく質と脂質は問題が少ないので推奨される。抗炎症作用を期待して、n-3系脂肪酸摂取の比率を増やす。食物繊維は、腸管に狭窄があると腸閉塞を起こす可能性があるので、10ℊ/日以下に制限する。牛乳、乳製品は、乳糖不耐症を合併していることが多いので、原則として禁止する。

(4)× 潰傷性大腸炎の患者数は、クローン病より少ない。
 潰瘍性大腸炎は、昭和50年、厚生省の特定疾患治療研究事業の対象疾患に指定された。登録患者数は昭和50年には965人であったが、平成25年で約155,116人となっている。クローン病は、昭和51年、厚生省の特定疾患治療研究事業の対象疾患に指定された。登録患者数は昭和51年には128人であったが、平成25年で約38,271人となっている。

(5)〇 潰傷性大腸炎は、大腸がんのリスク因子である。
 炎症による粘膜の破壊と再生の繰り返しは、遺伝子の複製ミスを誘発し、癌遺伝子を活性化させる可能性が高くなるので、大腸がんが発生するリスクは高い。
 クローン病と潰瘍性大腸に関する解説や各種データは、「難病情報センター」のホームページに詳しく掲載されているので、一度見てみよう。

正解(5)

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# by kanri-kokushi | 2015-01-23 14:56 | 第28回 国家試験 | Trackback | Comments(0)
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