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臨床栄養学

25(追加)-126 傷病者に対する栄養ケア計画に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)生活習慣病の患者には用いられない。
(2)栄養ケアの評価時期を決定する。
(3)医療者の決定する目標は、短期目標に限定する。
(4)栄養補給計画に静脈栄養は含めない。
(5)栄養必要量の算定には、患者の侵襲係数は用いない。

(1)× 生活習慣病の患者にも用いられる。
 栄養ケアは、すべての傷病者の治療の基本になるものである。

(2)〇 栄養ケアの評価時期を決定する。
 栄養ケアの流れは、栄養スクリーニング→栄養アセスメント→栄養ケア計画→実施→モニタリング→評価→栄養ケア計画の見直し、である。まず、栄養スクリーニングにより問題点をリストアップし、栄養アセスメントにより問題点の状況を把握、ケアの要否、優先順位などについてアセスメントを行う。次に、栄養アセスメントに基づいて栄養ケア計画を立て、実施する。次に、実施した栄養ケアの効果を検証するためにモニタリングを実施し、その結果の評価に基づいて栄養ケア計画の見直しを行う。この一連の流れを、どのようなスケジュールで実施するかを決めることも、栄養ケア計画に含まれている。

(3)× 医療者の決定する目標は、短期目標と中長期目標が含まれる。
 中長期目標は、傷病者が将来的にあるべき姿を具体的に記載するものである。通常6か月後~1年後程度を想定して決める。短期目標は、中長期目標を達成するために、必要なことをブレイクダウンして記載する。通常1か月程度を想定して決める。

(4)× 栄養補給計画に、静脈栄養を含めることもある。
 栄養補給計画には、経口栄養、経腸栄養、静脈栄養が含まれ、傷病者の消化吸収機能障害の程度に応じて選択する。

(5)× 栄養必要量の算定には、患者の侵襲係数を用いる。
 栄養必要量を求める式は、以下のとおりである。
 栄養必要量=基礎代謝量×活動係数×侵襲係数(ストレス係数ともいう)
 侵襲係数は、手術、褥瘡、外傷、ステロイド使用、熱傷、感染症などの有無により決める。

正解(2)
# by kanri-kokushi | 2014-03-19 09:00 | 第25回国家試験(追加) | Comments(0)

臨床栄養学

25(追加)-125 臨床検査項目と健常者の値の組合せである。正しいのはどれか。
(1)血中赤血球数 - 260×104/μℓ
(2)血清クレアチニン値 - 2.0㎎/㎗
(3)血清アルブミン値 - 4.0ℊ/㎗
(4)血清ナトリウム値 - 120mEq/ℓ
(5)血中重炭酸イオン濃度 - 18mEq/ℓ

(1)× 基準値は、男性410~530×104/μℓ、女性380~480×104/μℓ

(2)× 基準値は、男性0.6~1.0㎎/㎗、女性0.5~0.8㎎/㎗

(3)〇 基準値は、3.9~4.9ℊ/㎗

(4)× 基準値は、135~147mEq/ℓ

(5)× 基準値は、22~26mEq/ℓ

正解(3)

なんてくだらない問題だろう。単なる記憶を試す問題で、しかも、記憶することの意味がほとんどない知識の記憶を求めている。解答者の勉強の何の足しにもならない問題だ。
# by kanri-kokushi | 2014-03-18 18:10 | 第25回国家試験(追加) | Comments(0)

臨床栄養学

25(追加)-124 身体の栄養状態を調べる方法に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a DEXA(dual energy X-ray absorptiometry)は、エネルギー消費量を測定する。
b BIA(bioelectrical impedance analysis)は、体脂肪率を測定する。
c CT(computed tomography)は、体脂肪の分布状態を調べる。
d MRI(magnetic resonance imaging)は、たんぱく質の摂取量を調べる。
(1)aとb(2)aとc(3)aとd(4)bとc(5)cとd

a× DEXA(dual energy X-ray absorptiometry)は、骨量を測定する。
 DEXAは、2種類のX線の吸収率の差から、骨量を測定する方法である。エネルギー消費量は、呼気分析による間接カロリー計や二重標識水法(double labeled water method)で測定する。

b〇 BIA(bioelectrical impedance analysis)は、体脂肪率を測定する。
 脂肪組織は、筋肉組織に比べて水分が少ないことから、電流と通した時の抵抗が大きい。BIAは、体に微弱な電流を流して、抵抗を測定することにより体脂肪量を測定する。

c〇 CT(computed tomography)は、体脂肪の分布状態を調べる。
 CTは、X線を使って体の断面を見る方法である。よって、内臓脂肪が多いとか、皮下脂肪が多いとか、体脂肪の分布状態を調べることができる。

d× MRI(magnetic resonance imaging)は、体脂肪の分布状態を調べる。
 MRIは、磁気を使って体の断面を見る方法である。よって、CTと同様に、内臓脂肪が多いとか、皮下脂肪が多いとか、体脂肪の分布状態を調べることができる。たんぱく質摂取量は、尿中尿素窒素排泄量を測定することによって調べることができる。

正解(4)
# by kanri-kokushi | 2014-03-18 17:49 | 第25回国家試験(追加) | Comments(0)

臨床栄養学

25(追加)-123 診療報酬における栄養サポートチーム加算に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)栄養管理実施加算が算定されていない患者が対象となる。
(2)定期的なカンファレンスが必要である。
(3)医師と管理栄養士によるチーム構成で算定できる。
(4)療養型の医療機関が対象となる。
(5)1チームが算定できる対象人数は、50人/日である。

(1)× 栄養管理実施加算が算定されている患者が対象となる。
 栄養サポートチーム加算は、栄養管理実施加算算定患者に、多職種からなる栄養サポートチームが診療した場合に算定される。

(2)〇 定期的なカンファレンスが必要である。
 栄養状態の改善に係るカンファレンス及び回診が週1回程度開催されており、栄養サポートチームの構成員及び、必要に応じて当該患者の診療を担当する保険医、看護師等が参加していることが必要である。

(3)× チームは、専任の常勤医師、常勤看護師、常勤薬剤師、常勤管理栄養士で構成され、このうちいずれか1名は専従でなければならない。

(4)〇 一般病棟型に加えて、療養型の医療機関も対象となる。
 2010年に導入された時は、一般病棟が対象であったが、2012年の改正で療養病棟も算定可能になった。ただし、療養病棟では、入院日から起算して6月以内に限り算定可能とし、入院2月以降6月までは、月1回に限り算定可能である。

(5)× 1チームが算定できる対象人数は、概ね30人/日以内である。

正解(2)、(4)
# by kanri-kokushi | 2014-03-18 17:27 | 第25回国家試験(追加) | Comments(0)

臨床栄養学

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25(追加)-122 クリニカルパスと栄養ケアに関する記述である。誤っているのはどれか。
(1)診療報酬の出来高払い制度を進める。
(2)医療の質の標準化を進める。
(3)医療の効率化を進める。
(4)時間軸の概念が含まれる。
(5)栄養ケアの目標と計画が記入される。

(1)× 診療報酬の定額払い制度を進める。
 クリティカルパス(critical path)は、経営工学の分野で製造工程管理手法として、アメリカで1958年に開発された。その目的は、製品製作作業過程を分析して、より短期に効率よく作業を行うことができるように余裕日程ゼロの作業経路(クリティカルパス)を見出すための手法である。1985年、アメリカにおいて「診断群別定額前払い方式(DRG/PPS)」が導入され、病院の経営環境の悪化に対応するために、患者一人ひとりを、より質が高く、よりコストが少なく、より患者が満足し、質の良いケアを受けて望ましい結果にいたる方策として、クリティカルパスを導入した。ボストンのニューイングランド・メディカルセンターにおいて、1985~1986年に、25の疾患に試用したところ、虚血性心疾患や白血病に治療で、在院日数の短縮、患者とスタッフの満足度の改善が認められたことから、世界で導入されるようになった。医療分野ではクリティカル(危険な状態)の語感を嫌って、クリニカルパス(clinical path)と呼ばれることが多くなった。
 わが国では、平成15年度から特定機能病院において、DPC(diagnosis procedure combination)による包括払い方式が導入された。DPCは、特定機能病院(大学病院、国立がんセンター、国立循環器病センター)の入院実績データに基づいて作成した、日本独自の診断群分類である。DRG/PPSが、疾病別1入院あたり定額払い方式であるのに対し、DPCでは、疾病別1日あたり定額払い方式になっている。

(2)〇 医療の質の標準化を進める。
 クリニカルパスは医療の質の評価と保証をするものである。パスを改訂するときには、最新・最良のエビデンスを参考にすることが重視されることから、個人の経験、直感にもとづいた医療から、エビデンス(証拠)にもとづいた医療に変化することが期待できる。

(3)〇 医療の効率化を進める。
 ケア資源の効率的使用により、経費節減、入院期間の短縮などが期待される。

(4)〇 時間軸の概念が含まれる。
 クリニカルパスは医師、看護スタッフ、その他のコメディカルのケア介入を整理し、順序立てて、経時的にまとめたものである。クリニカルパスは業種を超えたチームの話し合いにより作成されることから、対象疾患の経過に関して各職種で共有され、チーム医療を推進することになると考えられる。

(5)〇 栄養ケアの目標と計画が記入される。
 当然。

正解(1)
# by kanri-kokushi | 2014-03-18 15:57 | 第25回国家試験(追加) | Comments(0)