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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

24-22 たんぱく質の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。

(1)たんぱく質の変性とは、一次構造が破壊されることである。
(2)補体は、補酸素として機能する。
(3)受容体は、情報伝達物質の標的細胞に存在する。
(4)酵素は、触媒する反応に必要なエネルギーを増大させる。
(5)収縮たんぱく質は、それ自体の長さを短縮することで筋収縮を引き起こす。

(1)× タンパク質の構造には、アミノ酸配列を示す一次構造、αへリックスやβシートなど部分的に規則的な構造を示す二次構造、1本のポリペプチドの立体構造を示す三次構造、複数のポリペプチドが集まってできる複合体を示す四次構造がある。タンパク質の変性とは、これらの立体構造が変化して、そのタンパク質が持っている機能(例えば、酵素活性)を果たせなくなることである。

(2)× 補体は、血清中に存在するタンパク質で、約20種類ある。細菌に抗体が結合すると、補体が活性化される。活性化された補体は細菌に付着して、細胞膜に穴をあける。こうして細菌を破壊する。補酵素は、酵素が働くために必要なタンパク質以外の補助因子である。多くの補酵素は低分子で、ビタミンの誘導体である。

(3)〇 情報伝達物質とは、ホルモンや神経伝達物質のことである。情報伝達物質は、ある細胞から分泌されて、他の細胞に作用する。ある情報伝達物質に対して、ある細胞は反応するが、別の細胞は反応しない。ある細胞が反応できるのは、その情報伝達物質に対する受容体を持っているからである。ある情報伝達物質に対する受容体を持っていて、その情報伝達物質に反応できる細胞を、その情報伝達物質の標的細胞という。

(4)× ある物質とある物質が反応して、新しい物質ができるとき、エネルギーが必要である。そのエネルギーを活性化エネルギーという。酵素は、その反応の活性化エネルギーを減少させることにより、常温、常圧の穏やかな環境下で反応を起こさせることができる。これを酵素の触媒作用という。

(5)× 収縮タンパク質の代表は、アクチンとミオシンである。アクチンとミオシンはそれぞれたくさんの分子が重合して、細長いフィラメントを形成する。筋細胞の中では、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが、互いに規則正しく並んでいる。筋細胞が収縮するときは、アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑り込むことによって収縮する。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2011-01-04 17:38 | 第24回国家試験 | Comments(0)