人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

24-33 炎症についての記述である。正しいのはどれか。

(1)慢性炎症の浸潤細胞は、主に好中球である。
(2)急性炎症では、血管透過性が低下する。
(3)炎症性サイトカインは、赤血球に由来する。
(4)急性炎症では、乾酪壊死がみられる。
(5)炎症では、血中にC反応性たんぱく質(CRP)が増加する。

(1)× 浸潤細胞とは、炎症が起こっている場所へ集まってくる白血球のことである。急性炎症では主に好中球が浸潤し、慢性炎症では主にリンパ球が浸潤する。

(2)× 急性炎症では、発赤、発熱、腫脹、疼痛が起こる。このうち発赤と発熱は、毛細血管が拡張することにより起こる。腫脹は、血管透過性の亢進により血漿成分が間質に漏れ出ることにより起こる局所の浮腫である。

(3)× サイトカインとは、細胞が分泌するタンパク質で、特定の情報伝達に関わっている。ホルモンに比べて分子量が大きいものが多い。炎症性サイトカインは、白血球やマクロファージが分泌するサイトカインである。赤血球には、核もリボソームもないので、タンパク質を合成することができない。

(4)× 乾酪壊死とは、慢性炎症で形成された肉芽腫に壊死がおこってチーズのような外観を呈することをいう。代表例は結核症でみられる。

(5)〇 CRPは、炎症の場で活性化されたマクロファージから分泌されたサイトカインが肝細胞に働いて生成される急性期反応タンパク質の一種である。血中CRP濃度の上昇は、体内に炎症が存在することを示している。

正解(5)
by kanri-kokushi | 2011-01-24 18:24 | 第24回国家試験 | Comments(0)