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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

24-48 生殖器に関する記述である。正しいのはどれか。

(1)精子細胞は、二倍体としての染色体を有す。
(2)ミトコンドリアは、精子には存在しない。
(3)黄体からは、プロゲステロンが分泌される。
(4)黄体形成ホルモン(LH)サージは、月経を誘発する。
(5)黄体は、白体の瘢痕化によりつくられる。

(1)× 精細管上皮は、精子をつくる細胞(精細胞)とこれを支える支持細胞(セルトリ細胞)からなる。上皮の深層に並ぶ精祖細胞は絶えず有糸分裂を行っているが、一部は第1次精母細胞(44+XY)に変わり2段階(第1および第2)の減数分裂に入る。第1減数分裂を終えたものを第2次精母細胞(22+XまたはY)、第2減数分裂を終えた細胞を精子細胞(22+XまたはY)といい、さらに変形して精子になる。

(2)× 精子は、DNAを含む頭部、ミトコンドリアを含む中部、運動性のある尾部の3つの部分からなる。受精に際し、卵細胞内に入るのはDNAだけで、ミトコンドリアは受精卵に入らない。

(3)〇 月経終了から約2週間は、卵胞刺激ホルモン(FSH)の作用で卵胞が成熟する。この時期に、卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜を増殖・肥厚させる。これを増殖期という。月経終了後14日目頃、エストロゲン分泌がピークに達すると、エストロゲンの正のフィードバック作用により黄体形成ホルモン(LH)の急激な分泌増加(LHサージ)が起こって排卵が起こる。続いて、排卵後の卵胞から、黄体が形成される。黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で子宮内膜は分泌期に移行する。プロゲステロンは受精卵が着床するのに適した状態を作り出す。妊娠が起こらないときは、約2週間後に黄体が退化して白体となる。その結果、プロゲステロンの分泌が減少して子宮内膜を維持できなくなり、機能層の脱落が起こって月経(消退出血)となる。これを月経期という。

(4)× LHサージは、排卵を誘発する。月経は、エストロゲンとプロゲステロンの減少による消退出血である。

(5)× 黄体が瘢痕化したものが、白体である。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2011-02-20 15:58 | 第24回国家試験 | Comments(0)