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臨床栄養学

24-123 栄養状態の評価指標を示す臨床検査についての記述である。正しいのはどれか。
(1)血清アルブミン濃度は、一週間以内のたんぱく質合成能を反映する。
(2)末梢血好中球数は、筋たんぱく質量を反映する。
(3)血清レチノール結合たんぱく質濃度は、免疫能を反映する。
(4)血清トランスフェリン濃度は、体脂肪量を反映する。
(5)尿中3-メチルヒスチジン量は、筋肉たんぱく質異化量を反映する。

(1)× アルブミンは、肝臓で合成され、血液中に放出されるタンパク質なので、内臓タンパク質の栄養状態を反映する指標である。血中半減期は2~3週間と血清タンパク質の中では長い方なので、比較的長期間の栄養指標として利用される。1週間以内のタンパク質合成能を反映する栄養指標としては、プレアルブミン、レチノール結合タンパク質、トランスフェリンなど半減期の短いRapid turnover proteinが利用される。

(2)× 末梢血好中球数は、感染により変動し、筋タンパク質量とは関係しない。栄養状態の評価指標としては、免疫能を反映する末梢血リンパ球数が利用される。

(3)× レチノール結合タンパク質は、肝臓で合成され、血中半減期が0.5日と短いので、短期間のタンパク質合成能の変化をとらえることができる栄養指標である。

(4)× トランスフェリンは、主に肝臓で合成され、タンパク質合成能の指標として利用されるが、血中半減期が約1週間であることから、アルブミンとレチノールタンパク質の中間に位置づけられる。体脂肪量を反映する栄養指標としては、BMIや上腕三頭筋部皮下脂肪厚が利用される。

(5)〇 3-メチルヒスチジンは、骨格筋のアクチンとミオシンの構成アミノ酸である。これらのタンパク質の分解で生じる3-メチルヒスチジンは、新たなタンパク質合成に利用されることなく尿中に排泄されるので、その尿中排泄量は、筋肉タンパク質の異化量を反映している。

正解(5)
by kanri-kokushi | 2011-02-23 16:25 | 第24回国家試験 | Comments(0)