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臨床栄養学

24-126 経口栄養補給に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)経口栄養は、経管栄養に比べて満足感を得にくい。
(2)飲食物による口腔内刺激は、消化液の分泌を亢進する。
(3)全粥食をブレンダー食(ミキサー食)にすると、エネルギー密度は高くなる。
(4)頻回食は、食物アレルギーの食事療法に用いられる。
(5)嚥下障害者には、酸味の強いものを与える。

(1)× 食事の満足感は、咀嚼(味)と嚥下(のど越し)から生まれるものである。経管栄養では、これが感じられないので、満足感は得にくい。

(2)〇 視覚(おいしそうな食べ物を見る)、聴覚(料理の音)、味覚、飲食物による口腔内の機械的刺激などは、中枢神経に伝えられ、迷走神経を介して胃、腸、膵臓からの消化液の分泌を促進する。

(3)× エネルギー密度とは、その食品が重量に対してどのくらいのエネルギーをもっているかということを表している。全粥食をそのままミキサーにかけて水分を加えなければ、重量もエネルギー量も変わらないので、エネルギー密度は変わらない。水分を加えてミキサーにかければ、重量が増加するのでエネルギー密度は低下する。

(4)× 食物アレルギーには、アレルゲンを除いた除去食が用いられる。頻回食は、胃切除後症候群(ダンピング症候群)や慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)の食事療法に用いられる。COPDでは、肺が膨らんで横隔膜が下がって腹部膨満感が出現する。頻回食は、その症状を軽減する目的で用いられる。

(5)× 嚥下障害がある患者では、誤嚥による嚥下性肺炎が起こるのを予防することが大事である。酸味の強いものは、むせの原因になるので、避けるようにする。

正解(2)
by kanri-kokushi | 2011-03-01 16:45 | 第24回国家試験 | Comments(0)