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臨床栄養学

25-134 胃食道逆流症に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)原因には、食道裂孔ヘルニアがある。
(2)下部食道括約部圧が、上昇する。
(3)食直後は、仰臥位を勧める。
(4)高脂肪食にする。
(5)菓子類の摂取を勧める。

 胃食道逆流症とは、胃液が食道に逆流し、食道粘膜を障害するものである。胸焼けや嚥下障害などの症状が出現する。診断は、X線透視による造影剤の逆流の証明や、内視鏡による食道粘膜の発赤、びらん、潰瘍を確認することにより行う。

(1)〇 食道裂孔とは、食道が横隔膜を貫く部位にある穴である。その穴を通って、本来腹腔の中にあるべき胃の一部が胸腔内に入り込んだ状態を、食道裂孔ヘルニアという。そのような胃では、噴門部(食道から胃への入り口)での逆流防止機構が障害されるため、胃食道逆流症の原因になる。

(2)× 下部食道括約部圧が上昇すると、胃液は逆流しにくくなる。下部食道括約部圧が低下すると、胃液は逆流しやすくなる。よって、胃食道逆流症の原因は、下部食道括約部圧の低下である。

(3)× 仰臥位とは、あおむけに寝ることである。仰臥位になると、胃内容物が噴門の方に流れてくるので、逆流が起きやすくなる。よって、食直後に仰臥位になることは勧められない。

(4)× 高脂肪食は、下部食道括約部圧を低下させ、幽門(胃から十二指腸への出口)からの排泄遅延により胃内滞留時間が長くなるので、逆流が起こる確率が高くなる。よって、高脂肪食は勧められない。

(5)× 菓子類の摂取は、下部食道括約部圧を低下させ、胃酸分泌を促進する。胃食道逆流症に対して、勧める理由はない。

正解(1)
by kanri-kokushi | 2011-11-18 18:19 | 第25回国家試験 | Comments(0)