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臨床栄養学

25-145 骨粗鬆症のリスクである。正しいのはどれか。
(1)果糖摂取不足
(2)エイコサペンタエン酸摂取不足
(3)ビタミンD摂取不足
(4)ビタミンB1摂取不足
(5)カリウム摂取不足

(1)× 食物として摂取したフルクトースは、肝臓においてフルクトース‐1‐リン酸を経て、グリセルアルデヒド‐3‐リン酸となって、解糖系に入る。よって、果糖の摂取不足があっても、グルコース(でんぷん)の摂取不足がなければ、何の問題もない。果糖を過剰に摂取した場合は、グリセルアルデヒドからグリセロールを経てトリグリセリド合成に利用されるので、高トリグリセリド血症の人は摂取を控えた方がいい。動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版では、果物の摂取量は1日80~100㎉以内が望ましいとしている。摂取不足と骨粗鬆症との関連はない。

(2)× エイコサペンタエン酸は、n‐3系多価不飽和脂肪酸の1種で、魚油に多く含まれている。血清脂質の改善作用、血圧低下作用、血液凝固抑制作用、血管内皮機能改善作用など動脈硬化症の予防効果が期待できるので、摂取不足にならないようにすることが勧められる。摂取不足と骨粗鬆症との関連はない。

(3)〇 ビタミンDは、小腸でのカルシウム吸収を促進する。ビタミンD摂取不足では、腸管でのカルシウム吸収の減少し、血清カルシウム濃度が低下する。その結果、副甲状腺機能から副甲状腺ホルモン(パラソルモン)が分泌されて、骨吸収が促進する。その結果、骨粗鬆症が出現する。

(4)× ビタミンB1摂取不足では、脚気、ウェルニッケ・コルサコフ症候群が出現する。

(5)× カリウム摂取不足では、低カリウム血症になり、食欲不振、筋力低下、低血圧、不整脈、頻脈、心電図異常(T波平低)などが出現する。摂取不足と骨粗鬆症との関連はない。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2011-12-23 10:52 | 第25回国家試験 | Comments(0)