2012年 07月 26日
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
(1)腎実質性高血圧 - クッシング症候群
(2)内分泌性高血圧 - 慢性糸球体腎炎
(3)本態性高血圧 - 褐色細胞腫
(4)腎血管性高血圧 - 原発性アルドステロン症
(5)収縮期高血圧 - 大動脈硬化
(1)× クッシング症候群は、内分泌性高血圧である。クッシング症候群(Cushing syndrome)とは、慢性のグルココルチコイド過剰分泌により、中心性肥満、高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスなどが出現する疾患である。下垂体のACTH過剰分泌が原因である場合をクッシング病という。クッシング病の80~90%は下垂体のACTH産生腺腫が原因である。副腎の過形成または腺腫によりグルココルチコイド過剰産生が原因である場合を狭義のクッシング症候群という。クッシング病と副腎腺腫の頻度は約1:1である。20~40歳代の女性に多い。
(2)× 慢性糸球体腎炎は、腎実質性高血圧である。
(3)× 本態性高血圧は、原因不明の高血圧である。高血圧症の約90%は、本態性高血圧である。
(4)× 原発性アルドステロン症は、内分泌性高血圧である。原発性アルドステロン症(primary aldosteronism、Conn症候群)は、副腎皮質からアルドステロンが過剰に分泌されて、高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスなどが出現する疾患である。30~50歳代の女性に多い。原発性アルドステロン症の原因には、一側の良性腫瘍(80~90%)が多く、両側の過形成(10~20%)のこともある。腎血管性高血圧は、腎血管の狭窄により、腎臓への血流が減少した結果、レニン分泌が増加して高血圧をきたす。腎動脈狭窄の原因には、線維筋性異形成(約40%)、動脈硬化症(約25%)、大動脈炎症候群(約20%)などがある。
(5)〇 大動脈硬化症では、大動脈の弾力低下により、収縮期血圧の上昇と拡張期血圧の低下がみられる。
正解(5)