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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

26-38 健常成人の腎機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腎血漿流量は、500~700㎖/分である。
(2)糸球体濾過量(GFR)は、約10㎖/分である。
(3)尿量は、約300㎖/日である。
(4)尿比重は、1,10以上に調節されている。
(5)尿のpHは、7.40±0.05の範囲に調節されている。

(1)〇 腎臓に関する数字の覚え方。まず、1日の尿量は、1,500㎖と覚える。これを1分あたりに換算すると、1㎖/分になる。これは覚えやすい。糸球体で濾過された原尿の99%は再吸収され、1%が尿として排泄されるので、糸球体濾過値(GFR)は、尿量の100倍である。よって、GFRは、100㎖/分または150ℓ/日となる。腎臓の血流量の10分の1が糸球体で濾過されるので、腎血流量は、GFRの10倍である。よって、腎血流量は、1,000㎖/分または1,500ℓ/日となる。腎血漿流量は、ヘマトクリットを40%とすると、血漿は全血の60%になるので、600㎖/分または900ℓ/日となる。

(2)× GFRは、約100㎖/分である。

(3)× 尿量は、約1,500㎖/日

(4)× 通常、尿比重は、1.010~1.030の間に調節されている。1.030以上は高比重尿(濃縮尿)、1.010以下は低比重尿(希釈尿)という。尿の浸透圧が、血液の浸透圧と等しいときを等張尿といい、比重は1.010になる。

(5)× pHが7.40±0.05の範囲に調節されているのは、血液である。通常、尿はpH6.0程度の弱酸性であるが、食品の摂取状況により4.5~8.5程度の間で変動する。

正解(1)
by kanri-kokushi | 2012-07-26 11:57 | 第26回国家試験 | Comments(0)