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生化学

19-96.多糖のグリコシド結合による構造についての記述である。正しいのはどれか。
(1)セルロースはalpha(1→4)結合によってグルコースが重合したものである。
(2)グリコーゲンはbeta(1→4)結合によってグルコースが重合したものである。
(3)アミロースはbeta(1→6)結合によってグルコースが重合したものである。
(4)グリコーゲンの分岐はalpha(1→6)結合によるものである。
(5)アミロペクチンの分岐はalpha(1→4)結合によるものである。

さあ、生化学の問題に入ろう。
いきなりグリコシド結合ときたもんだ。覚えているか覚えていないかだけの問題だ。どうしたら覚えておけるだろうか。何かいい方法はないだろうか。
まず、多糖類の種類についてだが、グルコースだけが重合してできる多糖類はデンプングリコーゲンセルロースの3つだ。デンプンは植物が糖質を貯蔵したもので、アミロースアミロペクチンの2種類がある。グリコーゲンは動物が糖質を貯蔵したものだ。セルロースは植物の細胞壁の主成分で食物繊維の一種だ。
さて、グルコースのつながり方だが、まっすぐに1列につながる方法を(1→4)結合という。この1→4という数字を、まず覚えよう。次に、(1→4)結合にはalphaとbetaの2種類あることを覚えよう。糖鎖は時々枝分かれする。枝分かれするときはいつもalpha(1→6)結合だと覚えておこう。1→6という数字とalphaだよ。
グルコースのつながり方はこの三つを覚えておけばよい。文字で読んでもピンとこないと思うので、必ず生化学の教科書を開いて、どんなつながり方なのか図で確認しておいてね。
さて、問題文だが、セルロースはbeta(1→4)結合でグルコースが1列に並んだものだ。グリコーゲンはalpha(1→4)結合でグルコースが1列に並んで、8~12個のグルコースごとにalpha(1→6)結合で分岐したものだ。アミロースはグルコースが200から1000個もalpha(1→4)結合で一列に並んだものだ。アミロペクチンはalpha(1→4)結合でグルコースが1列に並んで、24~30個のグルコースごとにalpha(1→6)結合で分岐したものだ。
結局、betaはセルロースだけで、あとは全部alphaだね。まっすぐつながるのが1→4で、分岐するのが1→6と覚えておけばいいね。

正解は(4)だ。
by kanri-kokushi | 2005-11-17 14:40 | 第19回国家試験 | Comments(0)