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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

27-22 核酸および遺伝子に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ポリヌクレオチドは、糖とリン酸分子が交互に結合した構造をもつ。
(2)転写は、DNAポリメラーゼによって触媒される。
(3)分枝アミノ酸は、それぞれ1つのコドンによって指定される。
(4)翻訳は、DNAを鋳型とするtRNA合成の過程である。
(5)mRNAは、アンチコドンをもつ。

(1)○ 糖に塩基が結合したものをヌクレオシドという。糖は、DNAではデオキシリボース、RNAではリボースである。デオキシリボースは、リボースの2位の炭素に結合している水酸基が、酸素が取れて水素だけになったものである。塩基は、DNAではアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4つ、RNAではアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)の4つである。
 ヌクレオチドの5位の炭素にリン酸が結合したものが、ヌクレオチドである。ポリヌクレオチドは、複数のヌクレオチドのリン酸の水酸基と糖の3位の炭素に結合している水酸基が縮合により水分子が取れて1列につながったものである。そのため、糖‐リン酸‐糖‐リン酸・・・という糖とリン酸が交互に結合したひも状の構造をもつ。AとT、GとCがそれぞれ対を作ることによって2本のヌクレオチド鎖がらせん構造を作ったものがDNA(デオキシリボ核酸)である。

(2)× 転写とは、DNAの塩基配列を鋳型に、mRNAを生成することである。これは、RNAポリメラーゼによって触媒される。ポリメラーゼは、ヌクレオチドつなげて1本のポリヌクレオチドを合成する酵素である。

(3)× DNA上の3つの塩基配列(トリプレット)が1種類のアミノ酸に対応している。DNAから転写されたmRNA上のトリプレットをコドンという。20種類のアミノ酸に対し、4種類3文字によるコドンは、4×4×4=64種類ある。このうち、1つのアミノ酸に対し、1つのコドンで対応しているのは、メチオニンとトリプトファンだけである。その他のアミノ酸は、2つ以上のコドンで対応している。リボソームでは、mRNAの塩基配列に従いtRNAの作用でアミノ酸をペプチド結合で鎖状に連結してたんぱく質を合成する。全RNAに占める割合は、rRNAが約80%、tRNAが約15%、mRNAが約5%である。

(4)× 翻訳とは、塩基配列による遺伝暗号を、アミノ酸配列に変換することである。

(5)× mRNA上のコドンに相補的な、トランスファーRNA(tRNA)上のトリプレットをアンチコドンという。

正解(1)
by kanri-kokushi | 2013-04-22 13:57 | 第27回国家試験 | Comments(0)