2013年 08月 05日
臨床栄養学
(1)体重の増加
(2)呼吸商の低下
(3)1秒量の上昇
(4)動脈血酸素分圧(PaO2)の上昇
(5)動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の低下
(1)× COPDは、努力呼吸による安静時エネルギー代謝量の増加に加えて、食欲不振などによる摂取エネルギーの減少のため、体内の代謝は異化に傾き、体重が減少する。エネルギーの負のバランスが著しい場合は、PEM(たんぱく質エネルギー欠乏症)になることもある。
(2)○ 呼吸商とは、二酸化炭素排泄量÷酸素摂取量で表され、体内の糖質と脂質の燃焼の比率を反映する検査である。糖質の燃焼量が増加すると上昇して1.0に近づき、脂質の燃焼量が増加すると低下して0.7に近づく。COPDでは、栄養障害により、体内の脂肪酸が動員されて、脂質の燃焼量が増加していると考えられるので、呼吸商は低下する。また、COPDの食事療法として、エネルギー量が同等の場合、二酸化炭素の発生量が少ない脂質を多く摂取している場合も、呼吸商は低下する。
(3)× 1秒量とは、思いっきり息を吐き出した時の、最初の1秒間で吐き出した空気の量である。COPDでは、息を吐き出す時に気管支が閉塞するので、1秒量は低下する。
(4)× COPDでは、肺胞でのガス交換の障害により酸素の取り込みが減少するので、動脈血酸素分圧(PaO2)は低下する。
(5)× COPDでは、肺胞でのガス交換の障害により二酸化炭素の排泄が障害されるので、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)は上昇する。
正解(2)