2014年 12月 11日
臨床栄養学
25(追加)-134 医薬品とその作用の組合せである。正しいものの組合せはどれか。
a マジンドール - 赤血球産生促進
b ラクツロース - 腸内アンモニア産生抑制
c ビグアナイド薬 - 血糖低下
d エリスロポイエチン - 食欲抑制
(1)aとb(2)aとc(3)aとd(4)bとc(5)cとd
a× マジンドールは、食欲を抑制する作用がある中枢性アドレナリン作動薬である。BMI 35以上の患者に適応がある。1992年から日本で肥満の治療薬として、唯一保険適用になっている薬品である。習慣性があるために投与期間は3ヶ月以内に限定されている。副作用として、口渇感、便秘、胃部不快感、悪心、睡眠障害などがある。赤血球産生を促進する薬剤は、エリスロポイエチンである。
b○ ラクツロースは、ガラクトースとフルクトースからなる二糖類である。腸内の乳酸菌で分解され、乳酸と酢酸が産生される。その結果、腸内pHが低下し、アミノ酸分解菌の増殖を抑制することにより、アミノ酸の分解によるアンモニアの産生を抑制する。
c○ ビグアナイド薬は、肝臓からのグルコース放出を抑制する。その他、消化管の糖吸収抑制作用、筋肉のインスリン感受性改善作用などがある。これらの作用の結果、血糖値は低下する。かつては、乳酸アシドーシスを起こす危険があるといって、ほとんど使われなくなっていた。しかし、近年、安全性と有効性が再評価され、利用が増加している。副作用として、乳酸アシドーシス、肝・腎障害などがある。
d× エリスロポイエチンは、血中の酸素濃度が低下したときに腎臓から分泌されるサイトカインである。エリスロポイエチンは、骨髄の赤血球前駆細胞に作用して、赤血球の産生を促進する。食欲を抑制する薬は、マジンドールである。
正解(4)