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臨床栄養学

28-142 不足すると、骨粗穏症の発症リスクが高まるビタミンである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ビタミンA
(2)ビタミンK
(3)ビタミンB1
(4)ビタミンB2
(5)葉酸

(1)× ビタミンA
 ビタミンAは、網膜における光受容反応、上皮組織の成長分化、精子形成、発癌の抑制、免疫機構の維持などの機能がある。β-カロテンは、ビタミンAの前駆体である。欠乏症として、夜盲症(暗順応不良)、眼球乾燥、皮膚乾燥、成長停止などがある。過剰症として、急性では、嘔吐、頭痛、脳水腫など、慢性では、骨痛、高Ca血症、皮膚乾燥、舌炎、脱毛などがある。

(2)〇 ビタミンK
 ビタミンKは、肝臓において血液凝固因子Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹの生成に関与する。骨においては、オステオカルシン合成に関与し、骨形成を促進する。欠乏症として、血液凝固障害、骨粗鬆症などがある。過剰症として、溶血性貧血、黄疸などがある。

(3)× ビタミンB1
 ビタミンB1は、チアミン2リン酸(TPP)の形で補酵素として働く。糖質、分枝アミノ酸の代謝に関与する。欠乏症として、脚気(多発性神経炎、脚気心、全身浮腫)、ウェルニッケ脳症(意識障害、眼振、眼筋麻痺、小脳失調など神経系の障害)、コルサコフ症候群(ウェルニッケ脳症の一部として健忘、失見当識、作話など精神障害)などがある。

(4)× ビタミンB2
 ビタミンB2は、正常発育に不可欠(発育ビタミン)である。フラビンアデニンヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレエオチド(FMN)の形で、エネルギー代謝や電子伝達系酵素など酸化還元反応の補酵素として働く。欠乏症として、口角炎、脂漏性皮膚炎、結膜炎などがある。

(5)× 葉酸
 葉酸は、テトラヒドロ葉酸の形でギ酸やホルムアルデヒド由来のC1単位のキャリアとして働き、プリン、アミノ酸、蛋白質の生合成に関与する。欠乏症として、巨赤芽球性貧血、下痢、舌炎などがある。

正解(2)
by kanri-kokushi | 2015-03-02 15:07 | 第28回国家試験 | Comments(0)