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人体の構造及び疾病の成り立ち

29-36 消化管ホルモンとその作用の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)セクレチン - 胃酸分泌の促進
(2)ガストリン - 胃酸分泌の抑制
(3)インクレチン - インスリン分泌の促進
(4)コレシストキニン - 膵酵素分泌の抑制
(5)グレリン - 摂食抑制

(1)× セクレチン - 胃酸分泌の抑制
 セクレチンは、胃酸の刺激により、十二指腸にあるS細胞からセクレチンが分泌される。セクレチンは、膵臓の外分泌腺(腺房中心細胞、介在部導管細胞)に働いて重炭酸イオンの分泌を促進することにより胃酸を中和する。また、セクレチンは、胃の壁細胞に働いて、胃酸分泌を抑制する。

(2)×ガストリン - 胃酸分泌の促進
 ガストリンは、食物、特に肉汁の刺激により、胃の前庭部にあるG細胞からガストリンが分泌される。迷走神経(副交感神経)は、G細胞に働いてガストリンの分泌を促進する。ガストリンは、胃の壁細胞に働いて胃酸の分泌を促進する。

(3)○インクレチン - インスリン分泌の促進
 インクレチンは、グルコースによるインスリン分泌を増強する消化管ホルモンの総称である。インクレチンには、GLP-1(glucagon-like peptide-1)とGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)がある。食物が十二指腸に入ってくることが刺激となって、十二指腸からインクレチンが分泌される。インクレチンは、ランゲルハンス島に働いて、グルコース刺激によるインスリン分泌を促進する。

(4)×コレシストキニン - 膵酵素分泌の促進
 コレシストキニン(CCK)は、食物、特に脂肪の刺激により、十二指腸のI細胞(M細胞ともいう)からCCKが分泌される。CCKは、膵臓の外分泌腺(腺房細胞)に働いて消化酵素の分泌を促進する。CCKは、胆嚢に働いて胆嚢の収縮を起こし、胆汁を十二指腸に分泌させる。CCKは、胃に働いて胃酸分泌を抑制する。

(5)×グレリン - 摂食促進
 グレリンは、胃から分泌されるペプチドホルモンであり、絶食により分泌が増加する。グレリンは、下垂体に働いて成長ホルモン(GH)の分泌を促進する。また、グレリンは、視床下部に働いて食欲を増進させる。

正解(3)
by kanri-kokushi | 2015-11-18 17:15 | 第29回国家試験 | Comments(0)