2006年 01月 11日
生化学
(1)構造タンパク質 - エラスチン
(2)収縮タンパク質 - ケラチン
(3)貯蔵タンパク質 - トリプシン
(4)輸送タンパク質 - トロンビン
(5)調節タンパク質 - ミオシン
タンパク質の種類と機能に関する問題は毎年出題されている。取り上げられるタンパク質も少しずつ変わっているが繰り返し出題されているものあるので、過去問をよく勉強しておこう。
(1)構造タンパク質とは体を形作り、その構造を維持するタンパク質だ。代表的なものはコラーゲン、エラスチン、ケラチンなどだ。コラーゲンは結合組織の細胞間物質の主成分だ。エラスチンは大動脈壁など弾性組織の細胞間物質の主成分だ。ケラチンは皮膚の表皮細胞で産生されるタンパク質で皮膚角化層を形成する主成分だ。
(2)収縮タンパク質については、筋原線維を構成するアクチンとミオシンを覚えておけば十分だろう。
(3)貯蔵タンパク質には卵白の主成分であるオボアルブミンや乳タンパク質の主成分であるカゼインが含まれる。トリプシンは膵液に含まれるタンパク質分解酵素で貯蔵タンパク質ではない。
(4)輸送タンパク質とは体の中のある成分をある場所から別の場所に運ぶ役割をするタンパク質だ。だから、多くは血清タンパク質であることが多い。代表的なものは、酸素を運ぶヘモグロビン、鉄を運ぶトランスフェリン、銅を運ぶセルロプラスミン、ビタミンAを運ぶレチノール結合タンパク質、ビタミンB12を運ぶトランスコバラミン、甲状腺ホルモンを運ぶチロキシン結合タンパク質などだ。トロンビンは血液凝固因子のひとつで、フィブリノーゲンをフィブリンに変換して血液凝固を促進する作用があるので調節タンパク質に分類されるべきだろうか。出血を防ぐという意味で血液凝固因子に含まれるタンパク質を防御タンパク質に分類している教科書もある。防御タンパク質には、当然、免疫グロブリンや補体が含まれている。
(5)調節タンパク質とは体内のさまざまの機能を調節しているということだと思うけど、広い意味で捉えればすべてのタンパク質が調節タンパク質と考えられないわけじゃない。しかし、まあ、わかりやすいこところでは、ペプチドホルモン、ホルモン受容体、Gタンパク質などシグナル伝達にかかわるタンパク質、核内にあって遺伝子の発現を調節しているタンパク質、血栓形成を促進するプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI-1)などだろうか。
正解(1)