2016年 07月 06日
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
(1)胃壁の筋層は、三層構造である。
(2)小腸の長さは、大腸より短い。
(3)脂質は、膜消化を受ける。
(4)膵管は、空腸に開口する。
(5)大腸粘膜には、絨毛がある。
(1)〇 胃壁の筋層は、三層構造である。
胃壁の筋層は、斜走筋(内側)・輪走筋(中間)・縦走筋(外側)の三層構造である。ただし、幽門部では斜層を失って輪走筋と縦走筋の二層となる。
(2)× 小腸の長さは、大腸より長い。
小腸の長さは6~7m、大腸の長さは約1.5mである。
(3)× 脂質は、膜消化を受ける。
十二指腸に分泌された膵液と食物が混じり合い、膵液に含まれる消化酵素により食物を消化することを管内消化という。管内消化により、断片化した食物を小腸粘膜上に存在する消化酵素で分解することを膜消化という。デンプンなど多糖類は、アミラーゼにより管内消化を受けて二糖類になる。二糖類は粘膜上にある二糖類分解酵素(マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ)により膜消化を受けて単糖類となり吸収される。たんぱく質はトリプシンなどのたんぱく質分解酵素により管内消化を受けてジペプチドまたはトリペプチドになる。ジペプチドやトリペプチドは、粘膜上にあるジペプチダーゼやトリペプチダーゼにより膜消化を受けてアミノ酸となり吸収される。
(4)× 膵管は、十二指腸に開口する。
膵臓の導管は、主膵管と副膵管の2本がある。主膵管は、総胆管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開く。副膵管は、主に膵頭の膵液を集め、総胆管の開口部よりやや上方(小十二指腸乳頭)に開く。
(5)× 大腸粘膜には、絨毛はない。
小腸粘膜には、管腔内に突出した絨毛がある。絨毛が発達している部分では、表面積が大きくなっている。絨毛は、十二指腸と空腸上部で発達している。絨毛は、消化管のうち、小腸のみにあり、食道、胃、大腸、直腸にはない。
正解(1)