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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

33-41 貧血に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1)ビタミンB6欠乏は、巨赤芽球性貧血をきたす。

2)銅の欠乏は、再生不良性貧血をきたす。

3)溶血性貧血では、ハプトグロビン高値となる。

4)腎性貧血では、エリスロボエチン高値となる。

5)鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能(UIBC)高値となる。


×(1)巨赤芽球性貧血をきたすのは、ビタミンB12欠乏である。

 骨髄の中の赤芽球のDNA合成が障害されることにより細胞分裂が遅れる一方で、ヘモグロビン合成が進行することで大きな赤芽球が出現する。この大きな赤芽球を巨赤芽球という。DNA合成の材料であるチミンの合成には葉酸代謝か関与しており、葉酸代謝にはビタミンB12が関与している。よって、ビタミンB12欠乏ではDNA合成が障害され、骨髄に巨赤芽球が出現する。巨赤芽球の多くは骨髄内で崩壊する髄内溶血を起こすので末梢血の赤血球が減少して貧血が出現する。ビタミンB6は、ポルフィリン合成の律速酵素であるアミノレブリン酸合成酵素の補酵素である。ビタミンB6欠乏ではポルフィリン合成が障害されるので低色素性貧血が出現する。


×(2)再生不良性貧血は多能性造血幹細胞の障害によって起こる。

 銅は様々な酵素活性や代謝に関与しており、銅欠乏症では神経障害や貧血が出現する。貧血では悪性貧血との鑑別が必要とされているが、必ずしも大球性貧血になるとは限らない。再生不良性貧血は多能性造血幹細胞の障害によって起こる貧血ですべての血球が減少する汎血球減少症が出現する。貧血は正球性正色素性貧血で、骨髄低形成が特徴である。


×(3)溶血性貧血では、ハプトグロビン低値となる。

 ハプトグロビンは、ヘモグロビンの輸送たんぱく質である。溶血により赤血球から放出されたヘモグロビンはハプトグロビンを結合したヘモグロビン‐ハプトグロビン複合体は、網内系の細胞に取り込まれて分解される。溶血性貧血では、ヘモグロビンを処理するためにハプトグロビンが消費されるので血中濃度は低下する。


×(4)腎性貧血では、エリスロポエチン低値となる。

 エリスロポエチンは、腎臓から分泌されるサイトカインで、骨髄の造血幹細胞に働いて赤血球への分化と増殖を刺激して赤血球を増加させる。腎臓を流れる血液の酸素分圧が低下すると分泌が促進する。アスリートの高地トレーニングでは血中酸素濃度が低下するのでエリスロポエチンが高値となって赤血球数が増加する。赤血球の寿命は120日なので平地におりてきてもしばらくは赤血球が多い状態が持続するので酸素運搬能力が高い状態が維持される。腎性貧血とは、なんらかの腎疾患が原因となってエリスロポエチンの分泌が低下して貧血になるものなので血液中のエリスロポエチン濃度は低値となる。


〇(5)鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能(UIBC)高値となる。

 血液中の鉄は、トランスフェリンに結合して運搬される。血液中のトランスフェリンの鉄結合部位すべてに鉄が結合したとき、つまり鉄で飽和したときの鉄の量を総鉄結合能(TIBC)という。通常はTIBC1/3程度に鉄が結合している。血液中のトランスフェリンの鉄が結合していない部分、つまり鉄が飽和していない部分に結合できる鉄の量を不飽和鉄結合能(UIBC)という。TIBCUIBC、血清鉄の関係は、TIBCUIBC+血清鉄である。鉄欠乏性貧血ではTIBCが増加し、血清鉄が減少するのでUIBCは高値になる。


正解(5


Commented by kekokaeru at 2023-01-25 10:46
専門外なので内容は分かりませんが、「1冊の本に沿って記事書くこと」は参考になります!

軸になりそうな本を、本棚から探してみようと思いました。
by kanri-kokushi | 2023-01-23 22:09 | 第33回国家試験 | Comments(1)