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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

33-43 免疫・アレルギー疾患とその特徴的な症候の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

1)急性糸球体腎炎 - 低血圧

2)強皮症 - 蝶形紅斑

3)シェーグレン症候群 - 唾液分泌低下

4)パセドウ病 - 体重増加

5)橋本病 - 眼球突出


×(1)急性糸球体腎炎 - 高血圧

 急性糸球体腎炎の原因の約80%は、上気道のAβ溶血レンサ球菌感染である。感染12週間後、免疫複合体が糸球体基底膜に沈着して糸球体に炎症を起こすこと糸球体濾過量が急激に減少する。水とナトリウムの排泄障害により体液量が増加するので心拍出量が増加して血圧が上昇する。


×(2)強皮症 - 皮膚硬化

 強皮症は、皮膚と内臓(肺、心臓、消化管など)の線維化が進行する疾患である。皮膚硬化により仮面様顔貌が出現する。蝶形紅斑は全身性エリテマトーデス(SLE)でみられる皮疹である。SLEに特徴的な皮疹は、他に円盤状紅斑(ディスコイド疹)がある。


〇(3)シェーグレン症候群 - 唾液分泌低下

 シェーグレン症候群は、自己免疫反応により慢性唾液腺炎、乾燥性角結膜炎を起こす疾患で、乾燥性角結膜炎(ドライアイ)、口腔内乾燥症(ドライマウス)が出現するので、唾液分泌は低下する。


×(4)パセドウ病 - 体重減少

 バセドウ病は、甲状腺濾胞細胞上のTSH受容体に対しする自己抗体によって引き起こされる自己免疫疾患である。自己抗体は、甲状腺を持続的に刺激して甲状腺ホルモンを過剰に分泌させて甲状腺機能亢進症が出現する。甲状腺ホルモンは基礎代謝を亢進させるのでエネルギー消費量が増加し、体重は減少する。


×(5)橋本病 - 眼球突出

 橋本病は、甲状腺組織に対する自己抗体が産生され、甲状腺の慢性炎症を引き起こす疾患である。炎症により甲状腺組織を破壊されるとホルモン産生が低下して甲状腺機能低下症が出現する。基礎代謝が低下し、体重増加、皮膚の乾燥、むくみ(粘液水腫、圧痕を残さない、ムコ多糖類の沈着)などが出現する。眼球突出は、バセドウ病でみられるメルゼブルグ三徴(①眼球突出、②びまん性甲状腺腫大、③頻脈)の一つである。


正解(3


by kanri-kokushi | 2023-01-25 11:46 | 第33回国家試験 | Comments(0)