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臨床栄養学

21-148 嚥下障害に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1)脳神経障害は、嚥下障害の原因になる。
(2)嚥下障害は、肺炎の原因になる。
(3)嚥下訓練には、食物を用いた間接訓練がある。
(4)トロミ食やゼリー食が用いられる。
(5)嚥下造影検査で評価する。

①脳神経と嚥下
 準備期は、食物の咀嚼を行うが、咀嚼のための咀嚼筋は、三叉神経が支配している。続く口腔期では、舌を押しつけながら食塊を咽頭に送り込むが、舌の運動は舌下神経が支配している。咽頭期には嚥下反射が起こるが、舌咽神経や迷走神経が知覚ニューロンとして、三叉神経、顔面神経、迷走神経、舌下神経が運動ニューロンとして関与する。よって、脳神経障害は、嚥下障害の原因になる。

②嚥下障害の症状
 嚥下は食物を食塊にして胃に送り込むことなので、それが障害されるということは、そのどこかで食塊が通過できなくなるということと、食塊がどこか、胃以外の場所へ迷い込むという、2つのことが起きる可能性がある。口から胃までの間で、食物が入ってはいけないところは、鼻腔と気道である。食物が気道に入ることを誤嚥という。誤嚥は、当然肺炎の原因になる。

③嚥下訓練
 嚥下訓練には間接訓練と直接訓練がある。間接訓練は、食物を用いずに行う訓練で、嚥下に必要な筋肉の強化、嚥下反射を誘発する感覚を高めるなどの訓練が含まれる。直接訓練とは、実際に飲食物を用いる訓練で、トロミ食やゼリー食が用いられる。

④嚥下造影検査
 嚥下障害の検査には、特殊な機器を必要としない反復唾液嚥下テスト(RSST)、水飲みテスト、フードテストなどと、特殊な機器を必要とする嚥下造影検査がある。嚥下造影検査は、嚥下剤または造影剤を混ぜた食品を嚥下させ、それが嚥下されていく様子をX線撮影して診断するものである。外見の観察では分からない口腔内、咽頭、喉頭の動きを観察できる。

正解は(3)
by kanri-kokushi | 2008-08-26 16:14 | 第21回国家試験 | Comments(0)