管理栄養士国家試験徹底解説
2023-08-03T20:56:15+09:00
kanri-kokushi
宇部フロンティア大学 長坂祐二
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30372068/
2023-07-07T10:12:00+09:00
2023-07-07T10:12:18+09:00
2023-07-07T10:12:18+09:00
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第37回国家試験
(1)宿主は、感染症の原因となる微生物である。(2)潜伏期は、症状が改善した後でも病原体が残存している期間である。(3)不顕性感染とは、感染しでも症状が現れない感染をいう。(4)結核は、新興感染症である。 (再興感染症)(5)再興感染症とは、同一患者に繰り返し発症する感染症をいう。
×(1)宿主は、微生物が感染を起こす生物である。
×(2)潜伏期は、感染が成立した後、発症するまでの期間である。○(3)不顕性感染とは、感染しでも症状が現れない感染をいう。 感染とは、病原体(微生物)が宿主の体内に侵入して、定着、増殖することである。 感染症とは、感染により発熱や痛みなど自覚的・他覚的な症状が出現するような病的な状態である。 感染が成立しても直ちに感染症を発症するわけではない。感染症の症状の多くは感染した微生物を排除するための免疫反応によって起こる。免疫反応による炎症が起こるまでは、基本的には無症状である。この無症状の期間(潜伏期)は感染症によって長いものと短いものがある。 感染は成立したが、発症することなく微生物を排除できた場合は不顕性感染となる。これに対し発症したものは顕性感染という。
×(4)結核は、再興感染症である。
×(5)再興感染症とは、同一患者に繰り返し発症する感染症をいう。 新興感染症の定義は、「かつては知られていなかった、この20年間に新しく認識された感染症で、局地的に、あるいは国際的に公衆衛生上の問題となる感染症」(WHO、1990年)である。例として、新型コロナウイルス(COVID-19)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、後天性免疫不全症候群(HIV)、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、腸管出血性大腸菌感染症、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症などがある。 再興感染症とは、かつて流行していたが、抗生物質の利用や公衆衛生の改善により、発症者の数が一時期は減少していたが、最近になって再び発症者が増加し、注目されるようになった感染症である。例として、結核、マラリア、デング熱、狂犬病、黄色ブドウ球菌感染症などがある。
正解(3)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30372067/
2023-07-07T10:11:00+09:00
2023-07-07T10:11:11+09:00
2023-07-07T10:11:11+09:00
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第37回国家試験
(1)Ⅱ型アレルギーによって発症する。(2)乳糖不耐症は、食物アレルギーである。(3)口腔アレルギー症候群は、食物アレルギーの特殊型である。(4)食物経口負荷試験は、自宅で行う。(5)アナフィラキシーショックでは、抗ヒスタミン薬の投与が第一選択である。
×(1)Ⅰ型とⅣ型アレルギーが発症に関与する。
食物アレルギーは食品に含まれるアレルゲンによって引き起こされるアレルギーである。IgEによるⅠ型アレルギーと細胞性免疫によるⅣ型アレルギーが発症に関与する。3大アレルゲンは、卵(特に卵白)、牛乳、小麦である。
×(2)乳糖不耐症は、ラクターゼの不足によって起こる。
乳糖不耐症は、牛乳に含まれる二糖類である乳糖(ラクトース)を分解するラクターゼの不足によって下痢や腹痛などの消化器症状を引き起こす疾患であり、アレルギー疾患ではない。下痢は乳糖の消化障害による浸透圧性下痢である。
○(3)口腔アレルギー症候群は、食物アレルギーの特殊型である。
口腔アレルギー症候群とは、多種の果物や野菜により口腔粘膜にかゆみや刺激を感じる疾患である。原因は、花粉の抗原と野菜・果物の抗原の交差抗原性であることから花粉・食物アレルギー症候群ともいう。花粉アレルギーの人が産生しているIgEが野菜・果物の抗原と交差反応を起こすことで口腔内の粘膜にアレルギー反応を起こす。
×(4)食物経口負荷試験は、病院で行う。
アナフィラキシーショックをおこす可能性があるので、病院において専門の医療スタッフの監視下で慎重に実施する。
×(5)アナフィラキシーショックでは、アドレナリンの投与が第一選択である。
アドレナリンは、末梢血管の収縮と血管透過性亢進の阻止により、浮腫による呼吸困難を軽減し、血圧を安定化させる。 抗ヒスタミン薬は、掻痒感などの症状の緩和に使用する。
正解(3)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30369406/
2023-07-03T17:02:00+09:00
2023-07-03T17:02:21+09:00
2023-07-03T17:02:21+09:00
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第37回国家試験
(1)抗体は、マクロファージにより産生される。(2)分泌型IgAは、消化管の免疫を担う。(3)自己免疫性溶血性貧血は、I型アレルギーの機序で起こる。(4)ツベルクリン反応は、Ⅲ型アレルギーの機序で起こる。(5)アナフィラキシーショックは、Ⅳ型アレルギーにより発症する。
×(1)抗体は、形質細胞により産生される。
抗体は、B細胞が分化した形質細胞が産生・分泌する。
○(2)分泌型IgAは、消化管の免疫を担う。
IgAは唾液や腸液に含まれている。
×(3)自己免疫性溶血性貧血は、Ⅱ型アレルギーの機序で起こる。
Ⅱ型アレルギーは、細胞や組織に対する自己抗体の産生に補体が関与して組織傷害を起こすアレルギーである。自己免疫性溶血性貧血は、赤血球に対する自己抗体が産生されて赤血球の破壊が亢進することにより発症する貧血なのでⅡ型アレルギーである。
×(4)ツベルクリン反応は、Ⅳ型アレルギーの機序で起こる。
Ⅳ型アレルギーは、細胞傷害性Tリンパ球が関与する細胞性免疫である。抗体よってすぐに対応する液性免疫に比べて、反応が表れるまでに時間がかかる。ツベルクリン反応は、結核菌抽出物の皮下注射し、発赤、浮腫、かゆみなどの有無を判定する検査である。反応は細胞性免疫であることから、注射後36時間から48時間でピークに達し、数日続く。判定は2日後に行う。
×(5)アナフィラキシーショックは、Ⅰ型アレルギーにより発症する。
Ⅰ型アレルギーは、IgEが関与するアレルギーである。 アナフィラキシーは、アレルゲンなどの侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与えうる過敏反応である。これに血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックという。 免疫学的機序によるアナフィラキシーにはIgEが関与するものと、関与しないものがある。IgEが関与するものでは、特異的IgE抗体が結合するマスト細胞から化学伝達物質が放出され、毛細血管拡張、透過性亢進、気道平滑筋収縮、気道分泌促進、粘膜浮腫などを引き起こす。原因として食物アレルギーが多い。IgEが関与しないものでは、免疫複合体による補体(C3~C5)の活性化により産生されるアナフィラトキシンがマスト細胞を刺激して化学伝達物質を放出する。原因として血液製剤に対するアナフィラキシーがある。 この他に非免疫学的機序によるもので、運動、日光、寒冷刺激、薬剤(造影剤、オピオイド)などが直接マスト細胞を活性化して化学伝達物質を放出するアナフィラキシーがある。
正解(2)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30369385/
2023-07-03T16:24:00+09:00
2023-07-03T16:24:55+09:00
2023-07-03T16:24:55+09:00
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第37回国家試験
(1)鉄欠乏性貧血(2)ビタミンB12欠乏性貧血(3)再生不良性貧血(4)溶血性貧血
×(1)鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血では小球性低色素性貧血になるが、症例はMCV、MCH、MCHCが基準範囲なので正球性正色素性貧血なので否定される。 MCVは、平均赤血球容積(Ht÷RBC×10fl)で、赤血球1個あたりの容積を表す。 MCHは、平均赤血球ヘモグロビン量(Hb÷RBC×10pg)で、赤血球1個あたりのヘモグロビン量を表す。 MCHCは、平均赤血球ヘモグロビン濃度(Hb÷Ht×100%)で、赤血球中のヘモグロビン濃度を%表す。
×(2)ビタミンB12欠乏性貧血
ビタミンB12欠乏症では大球性貧血になるので否定される。
○(3)再生不良性貧血
赤血球、白血球、血小板のすべてが減少する汎血球減少症であること、正球性正色素性性貧血であること、クレアチニン(Cr)と総ビリルビンが基準範囲にあることは、再生不良性貧血でみられる所見に矛盾しない。
×(4)溶血性貧血
溶血性貧血では、赤血球の破壊が亢進してビリルビンの産生が増加するが総ビリルビンが基準範囲であること、骨髄での赤血球産生の増加により網赤血球が増加するが基準範囲にあることから否定される。
正解(3)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30369367/
2023-07-03T16:03:00+09:00
2023-07-03T16:03:01+09:00
2023-07-03T16:03:01+09:00
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第37回国家試験
(1)末梢血中の赤血球は、核を持つ。(2)好中球は、抗体を産生する。(3)単球が血管外へ遊走すると、形質細胞となる。(4)フィブリンは、トロンビンによりフィブリノーゲンに変換される。(5)PAI-1は、脂肪細胞で産生される。
×(1)末梢血中の赤血球は、核を持たない。 骨髄の中で成熟した赤芽球は、脱核により核を細胞外に放出して網赤血球となり末梢血に出る。さらにミトコンドリアなどの細胞小器官を失って成熟赤血球となる。
×(2)形質細胞は、抗体を産生する。
抗体は、B細胞が分化した形質細胞が産生・分泌する。
×(3)単球が血管外へ遊走すると、マクロファージとなる。
×(4)フィブリノーゲンは、トロンビンによりフィブリンに変換される。
フィブリノーゲンはフィブリンの前駆体である。フィブリンは、重合して網状のフィブリン網を形成し、血小板と硬く結びついて強固な血栓(二次血栓)を形成する。
○(5)PAI-1は、脂肪細胞で産生される。
PAI-1は、plasminogen activator inhibitor-1の略称である。プラスミノーゲンはプラスミンの前駆体である。プラスミノーゲンは、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA, tissue-plasminogen activator)によりプラスミンに変換される。プラスミンはフィブリンを分解することで血栓を溶解する。PAI-1は、t-PAを阻害することで血栓の溶解を抑制するので血栓ができやすくなる。 PAI-1は、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの1種であり、肥満では分泌が増加する。
正解(5)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30359376/
2023-06-26T16:38:00+09:00
2023-06-26T16:38:56+09:00
2023-06-26T16:38:56+09:00
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第37回国家試験
(1)前立腺は、腹膜腔内に位置する。(2)前立腺から、テストステロンが分泌される。(3)前立腺肥大により、排尿障害が生じる。(4)前立腺がんでは、血清PSA値が低下する。(5)前立腺がんの進行は、アンドロゲンによって抑制される。
×(1)前立腺は、腹膜腔外に位置する。
前立腺は、膀胱底と尿生殖隔膜の間にあって尿道と射精管を取り囲むように存在する。
×(2)前立腺から、尿道に粘液を分泌する外分泌腺である。
前立腺の導管は多数あり、尿道内へ開口している。
○(3)前立腺肥大により、排尿障害が生じる。
前立腺肥大症では、前立腺組織の細胞数の増加(過形成)により前立腺が腫大する。前立腺は、内腺(移行領域と中心領域)と外腺(辺縁領域)に分けられるが、前立腺肥大症は内腺(移行領域)に好発する。内腺は尿道を取り囲むように存在しているので、内腺が肥大すると尿道を圧迫して排尿障害が出現する。
×(4)前立腺がんでは、血清PSA値が上昇する。
PSA(prostate specific antigen、前立腺特異抗原)は、前立腺で作られるたんぱく質で、前立腺癌で上昇することから前立腺癌の腫瘍マーカーとして利用されている。
×(5)前立腺がんの進行は、アンドロゲンによって促進される。
アンドロゲンは、前立腺がん細胞の核内にあるアンドロゲン受容体に結合し、がん細胞の増殖や悪性化を促進する。
正解(3)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30359363/
2023-06-26T16:07:00+09:00
2023-06-26T16:07:54+09:00
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第37回国家試験
(1)日光曝露の不足は、くる病の原因である。(2)高リン血症は、骨軟化症の原因である。(3)糖尿病は、骨折のリスク因子である。(4)脊椎椎体は、骨粗軽症における骨折の好発部位である(5)DXA(DEXA)法は、骨密度の評価に用いられる。
○(1)日光曝露の不足は、くる病の原因である。
くる病は、ビタミンD欠乏により骨石灰化障害である。骨端線閉鎖前の小児に発症した場合はくる病となり、骨端線閉鎖後の成人に発症した場合は骨軟化症となる。 ビタミンDには、植物由来のエルゴカルシフェロール(D2)と動物由来のコレカルシフェロール(D3)の2種類がある。D3は、コレステロール合成経路の中間体である7-デヒドロコレステロールに紫外線が作用して合成される。 日光暴露の不足は体内でのD3合成を減少させるのでくる病の原因になる。
×(2)低リン血症は、骨軟化症の原因である。
骨に沈着するカルシウムは、リン酸カルシウムである。低リン血症では骨へのカルシウムの沈着が障害されるので骨軟化症の原因になる。
○(3)糖尿病は、骨折のリスク因子である。
糖尿病では、インスリンの作用不足により骨芽細胞の活動が低下する。また、尿糖の排泄はCaの尿中排泄を促進し、二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こす。その結果、骨吸収が進行し骨折のリスクとなる。
○(4)脊椎椎体は、骨粗軽症における骨折の好発部位である
骨粗鬆症による骨折の好発部位は、腰椎・胸椎の圧迫骨折、大腿骨頚部骨折などである。
○(5)DXA(DEXA)法は、骨密度の評価に用いられる。
DXA(DEXA, dual energy X-ray absorptiometry、二重エックス線吸収法)は、2種類の異なるエネルギーの X線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差により骨密度を測定する方法である。
正解(2)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30359320/
2023-06-26T15:14:00+09:00
2023-08-03T20:56:15+09:00
2023-06-26T15:14:30+09:00
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第37回国家試験
(1)右肺は、2葉からなる。(2)気管支平滑筋は、副交感神経の興奮で弛緩する。(3)横隔膜は、呼気時に収縮する。(4)肺活量は、1回換気量と予備吸気量と予備呼気量の和である。(5)外呼吸は、末梢組織における酸素と二酸化炭素のガス交換である。
×(1)右肺は、3葉からなる。
右肺は上中下の3葉からなる。左肺は上下2葉からなる。左は心臓があるので、その分中葉がないと覚えておけばよい。
×(2)気管支平滑筋は、交感神経の興奮で弛緩する。
気管支平滑筋は、交感神経の興奮で弛緩し、副交感神経の興奮で収縮する。交感神経は緊急事態に興奮するので、緊急事態にはたくさんの酸素を取り入れるために気管支平滑筋が弛緩して気管支が拡張すると覚えておけばよい。
×(3)横隔膜は、呼気時に弛緩する。
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる骨格筋である。筋線維は放射状に並んでいるので、収縮すると平らになり腹腔を下に押し下げる。その結果胸腔が広くなり吸気が行われる。弛緩すると腹圧により下から押し上げられドーム状になる。その結果胸腔が狭くなり呼気が行われる。
○(4)肺活量は、1回換気量と予備吸気量と予備呼気量の和である。
×(5)外呼吸は、肺胞における酸素と二酸化炭素のガス交換である。
末梢組織における酸素と二酸化炭素のガス交換は、内呼吸である。
正解(4)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30351477/
2023-06-19T13:59:00+09:00
2023-06-19T13:59:12+09:00
2023-06-19T13:59:12+09:00
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第37回国家試験
(1)くも膜は、脳の表面に密着している。(2)体温調節中枢は、視床にある。(3)呼吸中枢は、中脳にある。(4)排便反射の中枢は、仙髄にある。(5)錐体路は、体性感覚の伝達を行う。
×(1)軟膜は、脳の表面に密着している。
頭蓋骨の内面と脳の表面の間にある膜を髄膜という。髄膜は硬膜、くも膜、くも膜下腔、軟膜で構成される。頭蓋骨の内面に張り付いている強靭な線維性結合組織の膜を硬膜という。硬膜の内側に接する薄い疎性結合組織をくも膜という。脳の表面に密着している薄い結合組織を軟膜という。くも膜と軟膜の間に腔をくも膜下腔といい脳脊髄液で満たされている。
×(2)体温調節中枢は、視床下部にある。
視床下部は、延髄・橋・中脳に存在する自律性反射中枢の上位中枢である。体温調節中枢、満腹・摂食中枢、血液浸透圧調節中枢、飲水中枢、日内リズムの中枢などがある。その他、怒り・悲しみ・喜びなどの感情を表情に出す情動表出や性行動を調節する中枢や下垂体の機能の調節する上位中枢(室傍核、視索上核など)がある。
×(3)呼吸中枢は、延髄にある。
延髄には、心臓促進中枢、心臓抑制中枢、血管運動中枢、呼吸中枢、嘔吐中枢、嚥下中枢、唾液分泌中枢、咳、くしゃみ、涙液分泌、眼瞼反射などの反射中枢がある。
○(4)排便反射の中枢は、仙髄にある。
便の蓄積により直腸壁が伸展すると刺激が仙髄に送られ、骨盤内臓神経(副交感神経)を介して直腸の収縮と内肛門括約筋(平滑筋)の弛緩を起こし排便する。 直腸壁の伸展は便意として大脳皮質に伝わり、仙髄の排便反射を抑制すると同時に陰部神経(運動神経)を介して外肛門括約筋(横紋筋)を収縮させることで直ちに排便反射が起こることを抑制する。 排便の準備が整うと、大脳からの指令により排便反射の抑制を解除すると同時に外肛門括約筋(横紋筋)を弛緩させて排便する。
×(5)錐体路は、運動神経の伝達を行う。
錐体路は、骨格筋の意識的な随意運動を支配する運動性伝導路、上位ニューロンと下位ニューロンの2つのニューロンで構成される。上位ニューロンは、運動野にある神経細胞から発した神経線維が内包、脳幹、脊髄を下り、脊髄前角に至る。下位ニューロンは、脊髄前角から骨格筋に至る。錐体路が障害されると随意運動が障害される。
正解(4)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30351422/
2023-06-19T13:29:00+09:00
2023-06-19T13:29:07+09:00
2023-06-19T13:29:07+09:00
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第37回国家試験
(1)尿崩症では、パソプレシンの分泌が増加する。(2)原発性副甲状腺機能亢進症では、血清リン値が低下する。(3)原発性アルドステロン症では、血漿レニン活性が上昇する。(4)アジソン病では、コルチゾールの分泌が増加する。(5)褐色細胞腫では、カテコールアミンの分泌が減少する。
×(1)尿崩症では、パソプレシンの分泌が減少する。
尿崩症は、下垂体後葉から分泌されるバゾプレシン(抗利尿ホルモンADH, antidiuretic hormone)の合成、分泌、作用のいずれかの障害により尿の濃縮障害を起こす疾患である。 集合管での水の再吸収が抑制され、尿浸透圧低下、高ナトリウム血症を引き起こす。その結果、尿を濃縮できないので、症状として多尿(3~10L/日)、口渇、多飲が出現する。
○(2)原発性副甲状腺機能亢進症では、血清リン値が低下する。
副甲状腺ホルモン(PTH, parathyroid hormone)の主な作用は、①骨吸収促進による骨からのCa動員増加、②ビタミンD活性化促進による小腸からのCa吸収増加、③腎臓からのPと重炭酸イオンの排泄増加である。 原発性副甲状腺機能亢進症では、これらの作用が過剰に表れるので、高Ca血症と低P血症が出現する。
×(3)原発性アルドステロン症では、血漿レニン活性が低下する。
原発性アルドステロン症は、アルドステロンの過剰産生・分泌により高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスをきたす疾患である。 体液量が増加し、血圧が上昇するので腎血流が増加して傍糸球体細胞からのレニン分泌は低下する。そのため血漿レニン活性は低下する。
×(4)アジソン病では、コルチゾールの分泌が減少する。
アジソン病は、副腎皮質機能が低下してコルチゾールとアルドステロンの欠乏による症状が出現する疾患である。
×(5)褐色細胞腫では、カテコールアミンの分泌が増加する。
褐色細胞腫は、副腎髄質のクロム親和性細胞に由来する腫瘍で、カテコールアミンを過剰に産生・分泌する。 カテコールアミンは、カテコール核とアミンを持もの化合物の総称で、L-ドーパ、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどがある。カテコール核はベンゼン環に2つの水酸基がとなりあって結合したもので、アミンは:アンモニアの水素原子を炭化水素基で置換したものである。
正解(2)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30351395/
2023-06-19T12:50:00+09:00
2023-06-19T12:50:32+09:00
2023-06-19T12:50:32+09:00
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第37回国家試験
(1)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準に含まれる。(2)ネフローゼ症候群では、血清LDLコレステロール値は低下する。(3)糖尿病性腎症病期分類での早期腎症期は、顕性アルブミン尿陽性である。(4)慢性腎不全では、低リン血症がみられる。(5)腹膜透析液のグルコース濃度は、血中のグルコース濃度より高い。
×(1)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準に含まれない。
×(2)ネフローゼ症候群では、血清LDLコレステロール値は上昇する。 ネフローゼ症候群は、大量のたんぱく尿、低たんぱく血症(低アルブミン血症)、高コレステロール症、浮腫を呈する症候群である。中心となる病態は、糸球体透過性が亢進して血漿たんぱく質が大量に尿中に排泄され、大量のたんぱく尿を排泄することである。その結果、低たんぱく血症(特に低アルブミン血症)が出現し、血液の膠質浸透圧が低下する。膠質浸透圧の低下により間質液が増加して浮腫が出現する。低たんぱく血症は、肝臓でのたんぱく質合成を促進し、それに伴ってリポタンパク質(LDLとVLDL)の合成が促進すると同時に末梢組織ではLDLの利用が低下するため高コレステロール血症が出現する。 診断基準は、 ①たんぱく尿 3.5g/日以上が持続する。 ②低アルブミン血症 血清アルブミン値3.0g/日以下 ③浮腫 ④脂質異常症 高LDLコレステロール血症である。このうち①と②は必須条件である。
×(3)糖尿病性腎症病期分類での早期腎症期は、微量アルブミン尿陽性である。
尿中へのアルブミン排泄量により顕性アルブミン尿と微量アルブミン尿に分類される。アルブミン排泄量は尿中クレアチン濃度との比である尿アルブミン値(mg/gCr)を算出することで判断する。 正常アルブミン尿:30mg/gCr未満 微量アルブミン尿:30~299mg/gCr(試験紙検査で尿たんぱく陰性) 顕性アルブミン尿:300mg/gCr以上(試験紙検査で尿たんぱく陽性) 病期分類は以下のとおりである。 第1期(腎症前期) 正常アルブミン尿、GFR>30 第2期(早期腎症期):微量アルブミン尿、GFR>30 第3期(顕性腎症期):顕性アルブミン尿あるいは持続たんぱく尿(0.5以上)、GFR>30 第4期(腎不全期):問わない、GFR<30 第5期(透析療法期):透析療法中
×(4)慢性腎不全では、高リン血症がみられる。
腎臓からのリンの排泄障害により高リン血症になる。
○(5)腹膜透析液のグルコース濃度は、血中のグルコース濃度より高い。
腹膜透析は、透析液を腹腔に入れて、腹膜を半透膜として物質交換を行う透析方法である。腹膜を介するグルコースの吸収は少ないので、透析液を高張ブドウ糖液(13~40g/Lグルコース、350~500mOsm/L)にして浸透圧により除水を行う。 腹膜透析を行っている患者では、腹膜からのグルコース吸収を考慮して食事療法を行う必要がある。グルコース吸収のエネルギー量は、使用透析液濃度、総使用液量、貯留時間、腹膜機能などの影響を受ける。目安として、1.5%ブドウ糖濃度液2Lの4時間貯留では約70kcalが、2.5%ブドウ糖濃度液2Lの4時間貯留では約120kcalが、4.25%ブドウ糖濃度液2Lの4時間貯留では約220kcalが吸収される。
正解(5)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
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2023-06-15T11:04:00+09:00
2023-06-15T11:04:53+09:00
2023-06-15T11:04:53+09:00
kanri-kokushi
第37回国家試験
(1)赤血球は、糸球体基底膜を通過する。(2)1日当たりの糸球体漏過量は、約1.5Lである。(3)eGFRの算出には、24時間蓄尿が必要である。(4)尿のpHの変動は、血液のpHの変動より大きい。(5)レニンの分泌は、循環血漿量が減少すると抑制される。
×(1)赤血球は、糸球体基底膜を通過しない。
基底膜はコラーゲンからなる薄い膜で血液をろ過して原尿をつくる。基底膜では、小分子は濾過されるが、大きな分子は濾過されない。これを限外濾過という。 水、電解質、グルコース、アミノ酸などの小分子は基底膜を自由に通過するが、分子量が6万以上のたんぱく質や血球は基底膜を通過できない。
×(2)1日当たりの糸球体漏過量は、約150Lである。
糸球体で濾過された水分の99%は尿細管と集合管で再吸収され、約1%が尿として排泄される。よって、尿量を1.5L/日とすると糸球体濾過量はその約100倍の150L/日になる。
×(3)eGFRの算出には、24時間蓄尿は必要ない。
クリアランスとは、一定時間内に尿中へ排泄されたある物質(X)が血漿中にあったときには何mLの血漿に含まれていたかを示す値である。クリアランスを算出するためには、物質Xの尿中濃度Ux(㎎/mL)、血漿濃度Px(㎎/mL)、1分間尿量V(mL/分)が必要である。よって24時間クレアチニンクリアランスを算出するには24時間蓄尿が必要である。クリアランスCx(mL/分)=Ux×V÷Px eGFR(推算GFR)は、血清クレアチニン値または血清シスタチンC値を推算式に当てはめてGFRを推算するものなので蓄尿は必要ない。
○(4)尿のpHの変動は、血液のpHの変動より大きい。
腎臓は血液のpHを一定に維持するために尿細管でのH+の分泌とH2CO3-の再吸収を調節するので尿のpHの変動は大きくなる。
×(5)レニンの分泌は、循環血漿量が減少すると促進される。
レニンは、腎血流の減少が刺激となって傍糸球体細胞から分泌される。傍糸球体細胞は糸球体の輸入細動脈中膜(平滑筋層)にある顆粒細胞である。循環血液量が減少すると腎血流量も減少するのでレニンの分泌が促進する。 レニンは、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系を介して尿細管からのNa再吸収を促進することで体液量を増加させる。その結果循環血液量も増加する。
正解(4)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30346130/
2023-06-14T10:05:00+09:00
2023-06-14T10:05:47+09:00
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第37回国家試験
(1)狭心症では、心筋壊死が生じる。(2)腎血管性高血圧は、本態性高血圧である。(3)心室細動は、致死性不整脈である。(4)右心不全では、肺水腫が生じる。(5)心不全では、血中BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が低下する。
×(1)狭心症では、心筋壊死は生じない。
冠状動脈の狭窄・閉塞により、心筋への血流が減少して、胸痛などの症状が出現する疾患を虚血性心疾患という。狭窄・閉塞の主な原因が冠状動脈の動脈硬化巣(アテローム性プラーク)であることから冠状動脈疾患ともいう。このうち心筋の虚血が可逆的、一過性で心筋壊死が生じないものを狭心症といい、非可逆的で心筋壊死が生じるものを心筋梗塞という。
×(2)腎血管性高血圧は、二次性高血圧である。
高血圧のうち血圧が上昇する原因が不明なものを本態性高血圧症という。これに対し原因が明らかなものを二次性高血圧という。腎血管性高血圧は、腎動脈の狭窄により腎血流が減少することでレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系が亢進して高血圧もたらす。原因が腎血管にあることが明らかなので二次性高血圧である。その他二次性高血圧には、腎実質性高血圧、内分泌性高血圧、血管性高血圧、薬剤誘発性高血圧などがある。
○(3)心室細動は、致死性不整脈である。
心室細動は、心室内で多数の不規則な電気信号が発生した状態で、心室は収縮できないために心拍出量はほぼゼロになるので致死的不整脈である。
×(4)左心不全では、肺水腫が生じる。
心不全とは、心臓のポンプ機能の低下により必要な心拍出量を維持できない状態である。そのため必要な酸素と栄養素を供給できない低拍出症状に加えて、拍出できなかった血液が静脈にうっ滞することによる症状が出現する。左心不全では肺循環の静脈にうっ滞が起こるので肺水腫が出現する。右心不全では体循環の静脈にうっ滞が起こるので全身の浮腫、頸静脈怒張などが出現する。
×(5)心不全では、血中BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が上昇する。
Na利尿ペプチドは心臓から分泌されるホルモンで、アルドステロンの作用に拮抗して、集合管でのNa再吸収・K排泄を抑制する。 心房筋から分泌されるものを心房性Na利尿ペプチド(ANP)といい、心室筋から分泌されるものを脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)という。BNPは脳で発見されたので「脳性」という名前がついているがヒトの脳にほとんど存在しない。
正解(3)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
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2023-06-13T11:46:00+09:00
2023-06-13T11:46:36+09:00
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第37回国家試験
(1)左心室の壁厚は、右心室の壁厚よりも薄い。(2)洞房結節は、左心房にある。(3)胸管は、右鎖骨下動脈に流入する。(4)門脈を流れる血液は、動脈血である。(5)血圧上昇により大動脈弓の圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。
×(1)左心室の壁厚は、右心室の壁厚よりも厚い。
大動脈は全身に血液を送り届けなければならない。そのため大動脈圧は肺動脈圧の5倍である。大動脈に血液を送り出す左心室はより高い圧力を作り出すために壁厚が厚くなっている。
×(2)洞房結節は、右心房にある。
洞房結節は、右心房(右心房と上大静脈が接するところ)にある。心臓内で最も早い収縮リズムを持ち、心拍動のペースメーカーとなる。洞房結節から発した興奮は洞房結節→結節間路→房室結節→ヒス束→左脚・右脚→プルキンエ線維→固有心筋の順(刺激伝導系)に伝導される。
×(3)胸管は、左静脈角に流入する。
静脈角は、鎖骨下静脈と内頸静脈の合流部のことである。右上半身からのリンパ管は右リンパ本管となって右静脈角に注ぐ。両下肢、腹部、左上半身からのリンパ管は胸管となって左静脈角に注ぐ。両下肢、骨盤からの腰リンパ本管と腹部内蔵からの腸リンパ本管が合流して胸管になる。合流部には乳び槽がある。
×(4)門脈を流れる血液は、静脈血である。
門脈は、消化管など腹部内蔵から静脈血を集めて肝臓に注ぐ静脈である。
○(5)血圧上昇により大動脈弓の圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。
圧受容器は、大動脈弓と頸動脈洞に存在する。 血圧が上昇すると、圧受容器を刺激する。圧受容器からの刺激は、心臓抑制中枢を興奮させる。心臓抑制中枢の興奮は、副交感神経を緊張させ、交感神経を抑制する。その結果、心拍数・心拍出量が減少し、末梢血管抵抗が低下するので血圧が低下する。これを降圧反射という。 血圧が低下すると、圧受容器への刺激が減少する。圧受容器からの刺激の減少は、心臓抑制中枢の興奮を減少させる。心臓抑制中枢の興奮の減少は、副交感神経を抑制し、交感神経を緊張させる。その結果、心拍数・心拍出量が増加し、末梢血管抵抗が上昇するので血圧が上昇する。これを昇圧反射という。
正解(5)
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人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
http://diet2005.exblog.jp/30340496/
2023-06-07T10:19:00+09:00
2023-06-07T10:19:16+09:00
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第37回国家試験
(1)アルコール性肝炎では、血清γ-GT値は低下する。(2)ウイルス性慢性肝炎は、B型肝炎ウイルスによるものが最も多い。(3)肝硬変では、血清コリンエステラーゼ値は上昇する。(4)非代償期の肝硬変では、血液中のBCAA値が上昇する。(5)NASHの確定診断には、肝生検が必要である。
×(1)アルコール性肝炎では、血清γ-GT値は上昇する。
γ-GT(γ-glutamyltransferaase)は、グルタミル基をアミノ酸やペプチドに転移する酵素である。肝疾患では逸脱酵素及び胆道系酵素として肝細胞の破壊や胆汁うっ滞の指標として臨床検査で利用されている。アルコールとの関連では薬物代謝酵素の誘導に伴って産生が増加することが知られている。アルコール性肝炎では、肝細胞内での誘導の増加と肝細胞の破壊による逸脱酵素の増加により血清濃度が上昇する。
×(2)ウイルス性慢性肝炎は、C型肝炎ウイルスによるものが最も多い。
B型肝炎は、母児感染により持続感染(キャリア)になりやすい。キャリアから発症した場合90%は治癒するが、10%は慢性肝炎となる。このうち20~30%が肝硬変に移行、このうち1年に5%が肝がんを発症する。成人後の感染の場合、慢性化はまれである。 C型肝炎は、約70%が慢性肝炎、肝硬変に移行する。肝細胞がんの約70%がHCV陽性である。
×(3)肝硬変では、血清コリンエステラーゼ値は低下する。
コリンエステラーゼ(cholinesterase, ChE)は、肝臓で合成され血液中に放出される酵素である。血清濃度は、肝臓のたんぱく質合成能を反映する臨床検査として利用される。血清濃度は、低栄養や肝硬変など肝臓のたんぱく質合成能が低下した状態では低下し、脂肪肝など栄養過多の状態では上昇する。
×(4)非代償期の肝硬変では、血液中のBCAA値が低下する。
分岐鎖アミノ酸(BCAA、branched chain amino acids、バリン、ロイシン、イソロイシン)は、主に骨格筋で代謝されるが、非代償期肝硬変症ではエネルギー消費増大に伴う異化の亢進により、血中濃度が低下する。また、肝硬変症では門脈圧亢進により膵臓から分泌されたインスリンが肝臓を通過することなく体循環に入ることによる高インスリン血症により筋肉への取り込みが増加することも血中BCAA値を低下させる。 一方、芳香族アミノ酸(AAA、aromatic amino acids、チロシン、フェニルアラニン)は、主に肝臓で代謝されるが、肝臓の代謝機能低下により血中AAA値を上昇させる。その結果フィッシャー比(BCAA/AAAモル比)が低下する。フィッシャー比の低下は、脳内のアミノ酸バランスの異常(アミノ酸インバランス)をもたらし、脳内アミンの代謝障害による肝性脳症の一因となる。
○(5)NASHの確定診断には、肝生検が必要である。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD, non-alcoholic fatty liver disease)は、脂肪肝のうちアルコール性を除外したものである。アルコール性の除外は、飲酒歴が男性30g/日未満、女性20g/日未満の者に適用される。 非アルコール性脂肪肝炎(NASH, non-alcoholic steathepatitis)は、NAFLDのうち、肝細胞の壊死、炎症、線維化など、アルコール性肝炎と類似の組織所見を伴うものである。肥満、糖尿病、高脂血症など過剰栄養に伴う生活習慣病に合併する。共通の病態として、インスリン抵抗性が背景にある。約50%が進行性で、10年間に20%が肝硬変に移行し、肝がんの発生率も高い。確定診断には、肝生検による組織診断が必要である。
正解(5)
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